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Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

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『Lowell Fulson』 Arhoolie盤

Lowell Fulson_Arhoolie テキサス・ブルースあるいはウエストコースト・ブルースのギター/ヴォーカルのローウェル・フルスンが、アーフリーに残した録音を集めたアルバムです。3つのセッションを集めた14曲入りで、それぞれ1948年、51年、53年の録音。メインは弟のマーティン・フルスンをサイドギターに使ったほぼ弾き語りで、残りはバンド・ブルースでした。

 10曲入っていた、弟とふたりで演奏したブルースが素晴らしい!!弟はコードを弾いて軽く支える程度なので、歌と合いの手となるギターを弾くローウェル・フルソンのほぼ弾き語り。ギターはどちらもアンプを通してるんですが、匂いは完全にアコースティックのテキサス・ブルースでした。
 アコースティックのテキサス・ブルースといえば、僕はライトニン・ホプキンスのアラジン・セッションにぶっ飛んだ事がありまして、エレキギターを使ってバンド・セッションをやっているライトニンを聴いてもどこが良いのか分からなかった僕が、アコースティックでは「まじか、ライトニンってこんなギターうまかったのか、しかも表現力が段違いじゃないか」と心をわしづかみにされたんです。あれに近い音楽がここにありました。戦前ブルースの持っている独特の暗さと、レイドバックした心地よさ、この相反する2つが共存した音楽なのです。詩はモロに戦前ブルース系の渋い内容で、2曲に分けて収録されていた「Riverside Blues」なんて、1904年の大洪水をそのまま歌ってました。何で2曲に分けたか…きっと当時のドーナツ盤の収録時間の関係なんでしょうね。ライブだったら日本の浄瑠璃みたいに一気にやってたんじゃないかと。
 こうした「これぞブルース!」という内容のムードと歌詞だけでなく、歌いまわしはいいし、ギターはうまいし、ニュアンスだけでなく、実際にプレイも素晴らしかったです。ギターの演奏の巧みさを楽しむのもやっぱりブルースの魅力のひとつですよね(^^)。

 一方、4曲入っていたバンド・ブルースは、マディ・ウォーターズあたりのシカゴ・ブルースに比べるとちょっとだけジャズが入っていて、なるほどこれがウエストコースト・ブルースという言われる理由かと思いました。曲によっては電子オルガンまで入っていましたし、Tボーン・ウォーカーほどではないけれど、けっこうモダン。モダンさはテキサス・ブルースをやっている頃のギターにもところどころ洒落た音を混ぜる時があったので、元々素養はあったのかもしれません。

 ローウェル・フルスンといえば、B.B.キングがフルスンの「Everyday I have the blues」をカバーして生涯演奏し続けたほどに憧れた存在として名前を知っているだけでした。その人のこのアルバムを偶然中古屋で見つけたのは大学生の頃。それ以降だったら、見つけても買ってなかったでしょう。もしその時に出会ってなければ一生聴かずじまいの人だったでしょうが、たまたま出会ったこのアーフリー録音が素晴らしすぎました。僕が買ったのは日本のPヴァインが出した日本語解説つきのものでしたが、そこに載っていた日暮康文という人の解説がまた素晴らしくて、テキサス・ブルースとウエストコースとの関係とか、フルスンのその後とか、ちょっとした本を読むぐらいに内容がありました。ある程度ブルースを聴きこんでから出会う事になるブルースマンかと思いますが、これが絶品。ローウェル・フルスンの初期音源集といった趣のこのレコードは、ちょっと渋いのでブルース未体験の人はやめたほうがいいと思いますが、ブルースにはまった事のある人なら絶賛するはず。おすすめです!

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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