ローウェル・フルスンといえば、B.B.キングがフルスンの「Everyday I have the blues」をカバーして生涯演奏し続けたほどに憧れた存在として名前を知っているだけでした。その人のこのアルバムを偶然中古屋で見つけたのは大学生の頃。それ以降だったら、見つけても買ってなかったでしょう。もしその時に出会ってなければ一生聴かずじまいの人だったでしょうが、たまたま出会ったこのアーフリー録音が素晴らしすぎました。僕が買ったのは日本のPヴァインが出した日本語解説つきのものでしたが、そこに載っていた日暮康文という人の解説がまた素晴らしくて、テキサス・ブルースとウエストコースとの関係とか、フルスンのその後とか、ちょっとした本を読むぐらいに内容がありました。ある程度ブルースを聴きこんでから出会う事になるブルースマンかと思いますが、これが絶品。ローウェル・フルスンの初期音源集といった趣のこのレコードは、ちょっと渋いのでブルース未体験の人はやめたほうがいいと思いますが、ブルースにはまった事のある人なら絶賛するはず。おすすめです!