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『ダウランド:イギリスのオルフェウス The English Orpheus ~リュート伴奏つき歌曲集 エマ・カークビー(soprano)、アントニー・ルーリー(lute, orpharion)』

Dowland_The English Orpheus_Rooley ルネサンス期のイギリスの作曲家ジョン・ダウランドの書いたリュート伴奏つき歌曲集です。ダウランドって今ではクラシックギターやリュートの世界でしか聴かれない作曲家になってる気がしますが、僕はイギリスの古楽って好きなのです。ルネサンス以前の古楽が大好きという事もありますし、その中でイギリスってちょっといいなと思うんです。ヨーロッパの大陸側だとラッススとかパレストリーナみたいな音楽史に名を残す作曲家がおごそかな宗教音楽を書いていたりするけど(これもいい!)、イギリスは民謡みたいで、でも3和音が聴こえて(ルネサンス期だとカノンなどのポリフォニーが多いのでめずらしい?)、音の間から妖精とかが見えちゃう感じ。ダウランドはリュートの名手だったそうで、ひとりで爪弾くことのできるリュートという楽器自体が、詩的な音楽に向いていたという事もあったかも知れません。

 このCDもまさにそんな感じで、歌手はソプラノではあるけど朗々とテクニックを見せつけてコロラトゥーラがガンガン出てくる、な~んてことはまったくなく、ハミングしているように軽~く歌ってるようでした。弱音楽器のリュートとの音量差をつけないという事情もあるんでしょうが、素朴な民謡っぽいんですよね。だから、森の中で曇りばかりのイギリスの中世の景色(しかも宮廷じゃなくて木造りの民家、みたいな)が見えるよう。同じルネサンス音楽でも、パレストリーナあたりは石作りの街が見えるんですが、この差が良い。。もう、たまりません。

 ところで、リュート奏者のアントニー・ルーリーという人、リュートの他にオルファリオンという楽器を弾いてますが、オルファリオンって何だ?海のトリトンがポセイドンを倒したピンクに光る剣?(ネットで検索中…)おお~リュート属の楽器なんですね、知らなかった。リュートの代用としても弾く事が出来るし、ちゃんとした奏法で弾くとチェンバロみたいな音がするんだそうです。なるほど、確かに5曲目のインストなんてリュートとチェンバロの間みたいな音だ。。この楽器、形がほとんど美術品です。楽器って今は既製品ぽいのばかりだけど、ヨーロッパの古楽楽器は眺めてるだけで心があらわれそうになるほどに美しいなあ。そうそう、このCDには何曲かリュート独奏が入っていましたが、これがまた素晴らしかったです。リュート音楽って深入りした事はないですが、本当に素晴らしいと思います。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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