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『Derek Bailey, Joelle Leandre / No Waiting』

BaileyLeandre ひとつ前の記事で、沢井一恵さんとデュオをしていた相手のコントラバス奏者が、ジョエル・レアンドルというフランス人女流コントラバス奏者。この人がリアル・アーティストというか、商売という所からかけ離れたところで、ものすごくコントラバスや音楽というものを芸術として追求しまくっている感じで、「ああ、これは本物だわ」という感じなのです。

 このデュオでは、相手をしているデレク・ベイリーというギタリストの方が有名じゃないかと思います。フリー・インプロヴィゼーション(演奏の最初から最後まで、モチーフになる曲すら用意せずに、完全に即興で演奏するタイプの音楽)というジャンルの超ビッグネームです。が…僕みたいな普通の人からすると、最初から最後までギターをかきむしっているというアプローチばかりが聞こえてしまって、なんか「デタラメでインチキだな」って思っちゃうんですよね。いや、それでもカッコいいと思える瞬間は度々あるんですが、でもその程度でいいんだったら、楽器を始めたばかりの学生さんのギターだってカッコいいと思える瞬間はあるわけで。。現代絵画で、カンバスの上に絵具をグチャって飛ばしただけの絵とか、真ん中に点がひとつ書いてあるだけの絵とかって、あるじゃないですか。あれを評価するかというのは、評価する基準自体が問われているというか、そういう所に対する挑戦なのであって、それはそれでいいと思うんですが…では挑戦して、その既成概念を壊す事に成功できたとして、その先に、壊した評価基準を超えるだけの評価基準を用意できているかというと、とてもそうは思えないんですよね。最初にそれをやる人は絶対に必要だけど、でもそれが壊された後に何も用意できなければ、ただ反抗したというだけになってしまう。それはさながら「じゃ、これは?」「これは?」と、何にでも食って掛かるくせに、自分では何もできない反抗期のクソガキの如し。そんな意味では、僕はデレク・ベイリーみたいな人というのは、音楽の上でのダダイズム的な役割を背負っただけという気がしてしまうんです。しかし、ジョエル・レアンドルという人は…

 なにもジョエル・レアンドルという人に限った話ではないのですが、デレク・ベイリーみたいな人が出てきた後に、その音楽を引き受けた世代の音楽家/演奏家の中に、すごい人たちがチラホラいる気がするのです。なんというのかなあ…他のジャンルに出てきたっていい気がするんですが、やたらとフリー・インプロヴィゼーションの世界から出てくる人にホンモノが多い(あ、そういう意味でいうと、インチキやニセモノがやたらと多いのもフリー・インプロヴィゼーションやエレクトリカの特徴な気がする…)。つまり、フリー・インプロヴィゼーションという狭い世界だけでゴチャゴチャやっているんじゃなくって、クラシックもジャズもフリー・インプロも全部ひっくるめて引き受けて、キッチリと次の音楽を作り上げちゃった人たちがいると思うのです。あくまで僕の主観ですが、音楽の核心を突き詰めていくと、最後には必然的にこういうアプローチになるのかもしれない、と思うんですよね。クラシックだってジャズだってインプロヴィゼーションだってなんだって、それぞれに良さがある。で、それぞれの音楽のそれぞれの良さを把握できるだけの器量が音楽家にあった場合、どういう態度を取るべきかというと…それぞれの良さを全部引き受けた音楽を作り出す、という作業に入るのが正統だと思うんですよ。でも、こういう事をやっている人って、本当に少ない。ジャズの人はジャズから出てこないし、クラシックの人はいまだにベートーヴェンをやっていて、他の凄いアプローチが出ても、非常に素晴らしい奏法が生まれても、そういうものは無視してベートーヴェンに閉じこもってる。ところが、リアル・ミュージシャンというのは…少ないけど、いるんですよね。ちょっと長くなっちゃったので、この話はここでオシマイにしますが、レアンドルという人は、そういう「本物の音楽」の入り口に立ったひとり、という気がします。このCDではフリー・インプロヴィゼーションという形で音楽を作っていますが、随所にその「本物っぽさ」が現れています。このCDはちょっと即興すぎるというか、荒っぽいところもあるんですが、それを差し引いても素晴らしい音楽だと思います。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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