1971年発表、サザン・ロックを代表するオールマン・ブラザーズ・バンドの出世作にして代表作、2枚組ライブ盤です。バンドの実質的なリーダーはギタリストのデュアン・オールマンで、僕かこのバンドに興味を持ったのは、デレク&ザ・ドミノスのアルバム『いとしのレイラ』に参加していたデュアン・オールマンのギタープレイを聴いたからでした。ボトルネックを使った野太い演奏は、正直に言ってクラプトンよりカッコよく感じたんですよ!
フォガットのロッド・プライスもそうですが、エレキギターのスライドプレイってブルースハープ的というか、ルーズにドライブする感じで好きなんですよね(^^)。
音楽はブルースロックがベースにあるものの、グレッグ・オールマンが演奏するオルガン、見事にウォーキングするベース、そしてシャッフルやエイトと言って定型リズムやスリーコードに収まりきらないいくつかの曲の存在が、モダンさを漂わせていました。デュアン・オールマンのギターソロだけがフロント、あとはうまいけど全員サイドマン的で、リズムセクションもヴォーカルも
派手さはなく渋いですが、凡百のスワンプ・ロックとは似て非なる達人の演奏、バンド自体がとんでもないうまさでした。
ドラムはソウルやブルースなどのブラック・ミュージック系のセッションマンのような演奏が基本でしたが、レギュラーグリップでスティックをスパンと落としたり、「Stormy monday」の展開部ではライドでキープしておいておかずを入れるなど、かなりジャズに近い演奏もしてました。ベースも時としてバンドのカウンターラインを作るし、それでいてボトムをしっかり支えるし、なかなか見事。キーボードのグレッグ・オールマンは…もう、いい所をあげ始めたらきりがないです。でも音楽が地味なんだな…つまりはスタジオミュージシャンのブルース・ジャム・セッションなんじゃないかと。
特にしびれた曲は…と書こうと思ったんですが、嵌ってしまってさっきから何回も聴いてるんですが、聴けば聴くほどすべての曲が素晴らしいです。いやあ、この音楽の良さが分かってきたら、聴き専でもロック中級を誇っていいかも(^^)。。
「Statesboro Blues」「Done Somebody Wrong」は、バンド全体がオモテでスライドギターがカウンターのような演奏、つまりバンド全体を受けてしまうスライドギターがすごかったです。すごいと言ってもいぶし銀、ジャズでいえばコルトレーンじゃなくてハンク・モブレーみたいな。そうそう、後者はハーモニカもメッチャかっこいい!しかしみんなうまいな…。
「Stormy Monday」は例の6度と9度を使うTボーン系のモダンブルースで、オルガンを使ったバンドのレイドバック感がメッチャかっこいい!これ、20代のミュージシャンが演奏した音楽じゃないだろ、酸いも甘いも知り尽くしたオッサンな演奏でしびれました(^^)。
「Hot ‘Lanta」「In Memory of Elizabeth Reed」は、和声もリズムもちょっと面白いプログレッションをするインスト・ジャム。スリーコードとペンタトニックだけでやったら面白く出来ないこういうジャムに乗れたらアマチュア卒業って感じでしょうか、さすがにこのメンツだとうまいなあ、カッコいい。
若い頃はブルースっぽくて単純にも感じるしアドリブも飽きるほど長く感じたんですが、いま聴くととんでもない。演奏技術だけで強引にいい音楽にしちゃっているきらいもあるけど、とても素晴らしかったです。
冒頭3曲がブルースナンバーだからブルースのイメージがあったのかも知れませんが、曲順を逆にしたらサンタナやカーティス・メイフィールドあたりに近い、かなり高度でモダンなロックに聴こえるんじゃないかと。スタジオミュージシャン級(つまり、メッチャうまいけど華がない、みたいな^^;)のジャム・セッションという意味では、
トラフィックのライブ盤あたりもこれに近かったですが、このクラスのミュージシャンのジャムって、派手さはないけど細かいところまで技が行き届いているから、聴いていて耳が離せなくなってしまうんですよね。若い頃はそういう所を全然聴きとれてなかったんでしょうね、僕(^^;)>。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
ハードロック好きだったからかもしれませんけど、なんか盛り上がりに欠けて感じと思って。
もしかしたら、いいオッサンとなった今なら全く違う感想かもしれません。この機会にspotifyで聴いてみます(笑)
ありがとうございます