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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『Billie Holiday / Lady in Satin』

Billie Holiday Lady in Satin 1958年録音、晩年のビリー・ホリデイが作ったアルバムです。内容はウィズ・ストリングスで、アレンジャーはまだ無名に近い若手だったレイ・エリス。ビリー・ホリデイの指名だったそうです。ジャズ・バンドの方には、マル・ウォルドロン(p)、バリー・ガルブレイス(g) なんて名前が見えました。おお、マル・ウォルドロンがレディ・デイの歌伴やった録音って残ってたんですね、知らなかった。。

 ああ、オケが素晴らしいわ…。匂いは50~60年代のボッサについてるストリングスとか、映画『いそしぎ』とかの古いアメリカ映画みたいな感じ。演奏もアレンジも、そして空間を広く取った録音も絶品でした。そうか、ビリー・ホリデイがサテンのように滑らかな音の中にいるから「レディ・イン・サテン」なんですね。すでに大物シンガーだったレディ・デイも、レイ・エリスの音楽をどこかで聞いて感動して、彼と仕事をしたいと思ったのかも。
 ただ、ビリー・ホリデイのヴォーカルが…声は酒焼け、ピッチも声量も安定させることが出来ず、味なんて言って受け入れられないほどのバッド・コンディション。痛々しくて聞いていられないほどでした。ビリー・ホリデイって、若い頃はレスター・ヤングと朝まで飲み歩き、晩年は男に教えられた麻薬に苦しんだそうです。それが拙かったのかも。のどは替えがきかないので、ヴォーカリストは酒たばこは厳禁と言われますが、それを痛感させられるレコードでした。これ、ビリー・ホリデイ全盛期の声だったら大名盤だったかも。。

 僕が持っているのはボーナストラック入りのCDですが、リハ風景も入っていて面白かったです。生弦もバンドもヴォーカルも同時録音なんですね。失敗してビリー・ホリデイが止まるとオケも止まって弾きなおし、みたいな。弦録音って86442ぐらいでも時間100万円以上はかるかかるから、今だったら仮歌だけ入れて弦の録音をとっとと終わらせ、あとで本歌をダビングするので、いい社会科見学をさせてもらった気分でした。ウィズ・ストリングスって大物にしか許されない録音なんですよね。

 もしこのオケでフロントが奇麗な声で歌うだけの人だったら、単なるイージーリスニングになっていたかも。何らかの深みを感じさせる人がフロントに立ったのは正解だったのかも知れません。僕は翌年にビリー・ホリデイが死ぬ事を知ったうえでこのアルバムを聴いてしまったもので、メル・デイヴィスのトランペット・ソロが葬送のファンファーレに聴こえてしまいました。うう、泣ける…。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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