マゼールがタクトをふったR.シュトラウスの管弦楽曲では、こんなCDも持ってます。「家庭交響曲」と「交響詩マクベス」のカップリングで、演奏はウィーンフィル!このCDの演奏も録音も、僕にとっては不満なところがひとつもありませんでした(^^)。やっぱり世界に冠たる指揮者やオケは素晴らしい。。
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家庭交響曲 op.53」は1903年作曲の標題音楽。シュトラウスの奥さんは勝ち気な人で、
マーラーの証言から想像するに、高嶋ちさ子ばりの人だったんじゃないかと(^^;)。シュトラウスは恐妻家だったそうですが、この交響曲はそんなシュトラウス家を音楽化したものみたいです。このCDではトラック5つに分けてありましたが、音楽は切れ目なく続いて、トータル44分ほど。
最初に主人シュトラウスの主題が登場、次に妻の主題が登場、さらに子供の主題…と、登場人物がひと通り登場。揃ったところで、子供が遊んで寝て…という平和が描かれ、次には仕事をする主人、妻との愛の情景。そして夫婦げんかが起きて荒々しくなり(^^;)、最後に和解しておしまい。
中盤のアダージョに入ってからしばらくが、ロマン派音楽特有の和声進行の情感が存分に生かされていて、ものすごく好きです(^^)。この標題も、生き生きとした人々の生活があったかくのほほんと音で描かれているようで、なんだかほっこりしました。深く感動するのでも大曲でもないかも知れないけど、音楽で幸福や平和や生命力を実感させるって、すごい事だと思うんですよね(^^)。
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交響詩マクベス op.23」は、シュトラウス初期の作品で、単一楽章で演奏時間18分ほどの作品でした。持ってるのに、内容を全然覚えてなかった(^^;)。僕の音大時代の友人に「一度聴いた音楽は全部覚えている」という強者がいましたが、全然覚えられない自分がマジで恥ずかしいです(^^;)。それってソルフェージュ能力の差なんでしょうね。。
主調はニ短調っぽいですが、シーンによって調を変えていくので、短調曲という感じがあまりしませんでした。音楽はいかにもロマン派で、すごく優雅なワルツになったり、不穏で荒々しいムードになったりと、ドラマが移り変わっていくのが分かるんですが、マクベスを読んでないもんで、それぞれのシーンと物語の関連が理解できず(^^;)。これは、マクベスを読んでから再挑戦したいところですが、マクベスを読むことは一生ないかも知れない…。ロマン派的な和音と和声進行を持ったシュトラウスの交響詩って、いま聴くとちょっとよく出来た映画音楽みたいです。シュトラウスの交響詩というと「
死と浄化」や「ツァラトゥストラかく語りき」が有名ですが、「マクベス」はそれらに比べるとけっこう普通だった…かな?
いや~、ロマン派音楽っていうのは音そのものの構造じゃなくて、音で情景を描き出してドラマを作り出すという構造を取るものですが、それにしてもR.シュトラウスの音楽は実に絵画的だと感じずにはいられません。若い頃は暗くハードでエキセントリックなものが大好きだった僕なので、家庭交響曲の良さなんてまったく理解できなかったですが、齢を取ると日常の幸福が実に胸に響いちゃって困ります(^^;)。シュトラウスの作品の中で、家庭交響曲は優先順位の高くない作品だと思いますが、僕はすごく好きだなあ。。
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