fc2ブログ

心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: アート・本・映画 etc. > 本(漫画・サブカル)   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

コミック『部屋においでよ』 原秀則

HeyaniOideyo HaraHidenori これも原秀則さんによる恋愛漫画です。書かれた時期は1990~94年で、主人公はその頃に大学から社会人あたりの年齢…もろに自分と主人公の年代がマッチしていたもんで、他人事とは思えずに読んでました(^^;)。先に言っておくと、これはかなりのメロドラマ、読んでいて胸が痛くなるほどなので、読むときには注意!

 ピアニストを目指している社会人の女性・文さんと、カメラマンを目指している大学生のミキオが、ふたりがよく行く居酒屋をきっかけに付き合うようになります。でも、ふたりとも仕事がうまくいき始め、文さんの元彼が絡み、次第にすれ違い始めて、最後には別れるというもの。

 先にダメだと思ったところ。ふたつあります。ひとつは、カメラやピアノの世界の調査がちゃんと出来てないところです。ほら、90年代以降の漫画って、調査が行き届いていて、荒唐無稽さがなかったりするじゃないですか。『のだめカンタービレ』は音大の世界をすごくきちんと調べてあるし、『ゴールデンカムイ』はアイヌの事をちゃんと調べてあるし、少なくとも素人の僕が読んでいて「ん?本当かそれ?」と思う事はないです。でもこの漫画は、作者のイメージだけで書いてる感じが…ね(^^;)。そういうのって、「そんなんじゃないと思うけどなあ」と思ってしまって、読む妨げになっっちゃうんですよね。クラシック系のピアニストがシンセキーボードをテーブルの上にのせてピアノの練習をする…馬鹿にしてんのか、100パーセントあり得ないし(^^;)。
 もうひとつゲンナリしたところは、原さんは物語を劇的にするために、大げさにしすぎるところです。この漫画だと、物語のクライマックスで、すごく人柄のいい主人公が、悪人ですらとても言えないようなセリフをヒロインに投げかけます。それまでの流れからすると不自然きわまりないんですけど、そうした方が劇的になるからそうするんでしょう。これはやっぱりすごい違和感あるなあ。

 というわけで、引っかかる点は色々とあるんですが、男女関係の描写のリアルさが素晴らしかったです。ハッピーエンドにせよバッドエンドにせよ、青春や恋愛を描かせたら原さんは天下一品。小さいテープを仕込んだ留守番電話とか、自分の青春時代を感じるのも良かったです。これはバッドエンド方向で、それがいいか悪いかは読者によるんでしょうが、心を動かされた漫画だったことは確かです。ただし、けっこう心にグサッと来るので、失恋でショックを受けている最中の人が読むのはやめた方がいいかと(^^;)。

関連記事
スポンサーサイト




Comments

09 2023 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

月別アーカイブ
検索フォーム
これまでの訪問者数
最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
アド
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS