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Category: CD・レコード > ロック・ポップス   Tags: ---

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『The Stooges / Fun House』

The Stooges Fun House 1970年発表、イギー・ポップ擁するストゥージズのセカンド・アルバムです。僕のストゥージズの初体験はこれ、高校生の時でした。僕がストゥージズに興味を持ったのは、ロックの写真集の中で、ライブのステージで血まみれになって倒れているイギー・ポップを見たから。なんだこのヤバい感じは…でもって、そのヤバさに一番近いジャケットがこのアルバムだったのです。このジャケット、カッコいいですよね。ジャズやクラシックや純邦楽にこのジャケットは作れません。ベトナム戦争泥沼状態の病んだアメリカの象徴のよう。

 久々に聴き直したら、録音がファーストアルバムとは雲泥の差のいい音!でも音楽はサックスが入ったこと以外は前作と同じで、あいかわらず演奏がもうひとつだし曲も単純。完全にフリージャズやってる曲もあるけど、フリージャズって演奏が下手だったり楽式が統制しきれないと子供のデタラメ演奏に聴こえちゃうんですよね(^^;)。プログレもニューロックも通り過ぎてフリージャズも聞いちゃっていた血気盛んな高校生のころの僕にとっては、匂いは好きだけど単純すぎて物足りなく感じたアルバムでした。
 それが今聞くと、ぜんぜん違う聴こえ方をするんだから音楽って分かりません。コード進行しない単調な曲だと思っていたものは、曲全体をドローン化した地下のライブハウスで演奏されている反体制ロックという儀式めいたものに聴こえてきました。演奏も似たような感じで、起伏のないアンチ・クライマックスな演奏は表現力のなさと思っていたのに、いま聴くとクラブ・ミュージックや仏教音楽のように意識低下を狙っての延々と繰り返されるリフのように聴こえてきたりして。

 煮え切らない熱さとか、ほの暗い明るさとか、そういう印象を僕はストゥージズに対して持ってるんですが、このアルバムなんてまさにそんな感じ。絶賛まではいかないけど、なにかグツグツしたヤバいものを感じて、そこが魅力のガレージ・ロック。このヤバさはロンドン・パンクには感じられなかったもので、ガレージは聴くけどロンドン・パンクは聴けない僕の感性の境には、音楽が根源的に持っていて欲しいものの有無なのかも。このヤバさを保ったままバンドがうまかったら、ドアーズ以上にベトナム戦争下のアメリカの闇を表現できたバンドになっていたかも知れません。でもバンドメンバーはドラッグで本当にヤバい事になっちゃって、ここでバンドはいったん活動休止に陥ってしまったという…あ~、そういうのも音に出てるなあ(^^;)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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