
おねがいです、このクセのありすぎるジャケットに引いてしまわず、騙されたと思って、ぜひこの記事を読んでほしいのです!!
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中学から高校の頃、クラスでへヴィーメタルが大流行。今では信じられない事かも知れませんが、音楽が好きなヤツでメタルを聴いていない人なんていないというぐらいの状態だったのです。「BURRN!」みたいなタイトルのメタル専門誌があったのですが(今もあるのかな?)、これがクラスの学級文庫のような状態になっていたほどです(^^;)。バンドを組んでいる友人も、ヘタなやつはビートルズとかそういうので、うまいやつはみんなメタル。そんな中、スコーピオンズとアイアンメイデンというふたつのバンドが好きな友人がいまして、彼が僕にアイアンメイデンのアルバムをたくさん貸してくれました。
ところが…音楽好きの友人たちの間では、アイアン・メイデンの評判がよくなかった。「ジジイになってまでメタルとかやっていたくねえよな」とか、「なんかダセえんだよな」みたいな感じ。僕も、その頃に出ていたアイアン・メイデンの新譜を1枚聴いていたんですが、悪いとは思わなかったけど、そんなに良いとも思っていませんでした。やたらと転調とかリズムチェンジとかをするんですが、それがどうにも素人っぽいというか、綺麗に繋がってないし。あと、ジャケットの絵が子供くさいというか、ダセえというか…。しかし、せっかく好意的にCDを貸してくれた友人に悪いので、借りたCDはちゃんと聴こうかな、と。で、順番に聴いていこうと思ってたまたま手にした最初の1枚が、このデビューアルバム『IRON MAIDEN』だったわけです。そして…
これがカッコ良すぎました!! 何がカッコ良いと言って、曲の作りがカッコ良すぎました。レコードデビュー以前からライブがとんでもない評判で、そのあまりの人気ぶりからレコード会社数社の争奪戦となったバンドだったそうですが、いやあ、これは人気が出て当然だわ。やっぱりリズムチェンジとか露骨な転調とかが随所に入ってくるんですが、このデビューアルバムではそれが凄く綺麗というか、音楽をものすごくドラマチックにしています。英米や今の日本のチャート音楽って、1曲3~5分とすごく短いのに、あまりに作りが単純すぎて途中で飽きて聞いてられなくなっちゃうものが多いと感じます。和声進行とかメロディとか、そういう短絡的な所じゃなくって、曲の構造そのものに対する配慮が全然ないというか…。しかし、このアルバムは全然違う。一気にアッチェルしていくところあり、第1主題と第2主題を使い分けて展開している曲あり、また音階も非常に独特なものを使ったりと、本当に良く出来ている。そして、ハードロック/メタル音楽独特の、あの速度感!ギターが速いとかそういう単純な所ではなくって、ビートの強さが強烈。なんか、ハードロックで出てくる、ブルースを引きずったようなドロドロしたところはみじんもなく、かといってアメリカの西海岸のメタルみたいな、速いんだけどビートが軽い、みたいなこともありません。ものすごくドライヴしていく感じなんです。
僕にとっては、
聴いてもいない癖にさんざん馬鹿にしておきながら、実際に聴いたらぶっ飛んでしまったというアルバムなのです(^^)。メタルのレコードの中で、今までで一番よく聴いたのはこのレコードかも。ジャケットのダサさにだまされず、ぜひ一度聞いてみてほしい1枚です!!この練り込まれた楽曲の完成度と、演奏の素晴らしい疾走感は、マジで素晴らしいと思う。
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