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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『Duke Ellington / The Popular Duke Ellington』

Duke Ellington Popular Duke Ellington 50年代のエリントン・ビッグバンド代表作といわれているのが『エリントン・アット・ニューポート』なら、60年代の代表作としてはこれが取り上げられる事が多いみたいです。60年代のエリントン・ビッグバンドは、異色作やちょっとアーティスティックなものもあるんですが、これは1920年代からのエリントンのヒット曲のオンパレードという感じ。エリントン晩年なので、総決算のつもりで作った1枚なのかもしれません。

 最初に驚いたのは、録音のうまさです。マイクが思いっきりオンで、ライブ感や迫力がある録音じゃないんですが、すべてのセクションがものくっきり聴こえて、エリントンのアレンジやアンサンブルがものすごくよく分かります。古いビッグバンドの録音って、音がグチャッとしていてヴォイシングがよく分からないものもあるんですが、これはすごくよく聴こえます。ブラバンやビッグバンドやってる人で、エリントン楽団の参考音源を聴きたいという方がいらっしゃいましたら、選曲も含めてこのレコードはおすすめです(^^)。

 次に、やっぱりアレンジに耳が行きました。エリントンの音楽を「芸術性が高い」なんていうジャズファンの方がいますが、でも「ニューポート」やこれみたいに、いかにもデューク・エリントン楽団の音楽っていうのはあくまでエンターテイメントじゃないかと。ただ、たしかにビッグバンド・アレンジの技術は高いと思いました。たとえば、「Mood Indigo」。アレンジどころかメンバーの息がぴったり合っているもんで、ビッグバンドではなくまるでコンボのように聴こえるアンサンブルに、要所でクラを含んだ木管だけでヴォイシングを施し、セカンドテーマでこれに金管を加え、サビで一気に盛り上げたかと思うと、先ほどのキーとなっていたクラがカウンターからいつの間にやら主旋律…こういうアンサンブルの妙はやっぱりさすがだなあ、みたいな。要所だけでセクションを活用する音楽性の高いアレンジは、このアルバム全体に生きていると感じました。1曲目の「A列車で行こう」だけはトゥッティ全快のエンターテイメントですけどね(^^;)。

 「A列車で行こう」「ソフィスケイテッド・レディ」「I got it bad」「Perdido」「ソリチュード」「ムード・インディゴ」などなど、ジャズが好きな人ならみんな知ってるエリントン・ナンバーがずらっと並んでるので、エリントンのレコードを1枚だけ買うというなら、これから入るのがいいかも知れません。ただ、僕は不幸なことに、マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンどころか、もうフリージャズもサードストリームも聴いたあとでエリントンを聴いたもんだから、エンターテイメントなビッグバンド・ジャズのよさは、最初は分かりにくかったです。今なんてもっとそういう人は多いと思うんですが、そういう人でも、ヴォイシングやセクションアレンジの技術の高さに耳を傾ければ、アメリカン・エンターテイメントなこの音楽を楽しめるかもしれません。そうしているうちに、オールドジャズ特有の「夕焼けを見ているときのような心地よさ」に気づいていったりして…それが僕なんですけどね(^^)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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