
メキシコとパナマって地理的に近いのでイメージが似てますが、
パナマもメキシコと同じように国民の過半数がメスティーソ(インディオとスペイン人の混血)だそうで、もしかすると文化も音楽もメキシコに近いのかも。でも僕はパナマの音楽をまったく知りません。そもそも、パナマを良く知りません。パナマ帽をかぶって、パナマ運河があって、野球やボクシングが盛んで…ああそうか、ボクシングのロベルト・デュランがパナマ出身か!でも音楽は知らない(^^;)。。というわけで、日本のビクターがパナマで現地録音してきたCDを聴いてみよう、そうしよう。
実に新鮮、このCDに入っていた音楽は、僕には
3つの音楽が混在しているように聴こえました。ひとつはオセアニアの打楽器と合唱の音楽、ひとつはメキシコ音楽、もうひとつはスペイン音楽です。
最初がいきなり予想外、ギターやチャランゴを弾きながらみんなで歌うメキシコのソンとかマリアッチみたいな音楽を想像していたら、打楽器を打ちながらコール&レスポンス気味に歌うプリミティブな音楽が流れてきました。僕が聴いた音楽の中でいえば、
ポリネシアの島々の音楽に近いかんじ。なるほど、メキシコよりも大西洋の音楽に近い…という事は、文化もあっちに近いんでしょうか。これって先住民族インディオの音楽の色なんでしょうが、インディオと言っても南米や
アンデスのフォルクローレみたいな素朴な感じじゃなくて、もしかして神殿文明の儀礼音楽の名残なんじゃないか…な~んて、儀礼音楽っぽいというだけで勝手な想像をして聞いてました(^^)。リズム型はメキシコ湾に浮かんでる島々の音楽のリズムに似ていましたが、あれよりもっとハードで、それこそオセアニアのきれい音楽の打楽器合奏のようでした。
途中からは演奏にアコーディオンが加わり、ギターやヴァイオリンが加わり…というわけで、ようやくメキシコの音楽に近づいてきました。アコーディオンって、ある時代にアメリカ大陸に急速に広がったと言いますが、今はかなり廃れましたよね。ボタンひとつで和音が鳴るので、初心者やドミソのポピュラー音楽にはものすごく有り難い楽器ですが、難しい事をやろうとするとむしろその構造が足かせになるのかも。
そして最後に、スペイン色の強い音楽。メキシコの音楽とスペインの音楽は実際に繋がっているので親和性が高いですが、フラメンコ・ギターのような演奏もあって、このへんになると「これ、スペインの音楽だから」と言われても信じるんじゃないかというほどそっくり。このへんはメスティーソの源流のスペイン人からもたらされた文化なんでしょうね。土着化して独自の中米音楽になる前のものが、そのまま残っているパターンもあるという事かな?
中南米に比べると混血の度合いがいちじるしく低い日本に生まれた僕には想像しにくい事ですが、色んな文化を持った人が流れ着いて混血を繰り返して、新しい文化を生み出した地域の音楽は、そのルーツになっている音楽がみんな残っているのが面白かったです。ものすごいパワーを感じるのは、さすが植民地支配に抵抗して独立戦争を繰り返してきた地域。血の気が多いなあ、みたいな(^^)。パナマの音楽を収録したCDって珍しいと思うので、パナマの音楽を聴きたい人は、これは外せない1枚かも?!
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