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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『一柳慧:作品集Ⅲ 道-THE WAY-』

IchiyanagiTosi_Sakuhinshuu3_Michi.jpg フォンテックが発売した一柳慧(いちやなぎとし)さんの作品集、第3弾は邦楽器を使った作品を集めていました。ひとつ前に聴いたCDはちょっとアレでしたが、これがなかなか素晴らしかったです!

 「THE WAY」(道)は、50人の邦楽器奏者を使った現代雅楽とでもいうような音楽でした。50人と言っても同時に演奏するシーンは後半までなく、あるグループごとに順番に演奏されていました。全部で8楽章でしたが、途切れることなく連続して演奏。音楽は、最初はかなり静かなところから、最期はカオティックなクライマックスに達し、そこを抜けると雅楽合奏が立ち現れる形。途中で篳篥ふたりのノンイディオマティックなインプロヴィゼーションみたいな所もあり、素材は邦楽だけど考え方は西洋音楽と感ました。フリージャズ好きな僕としては、この「ひと山」というクライマックス構造は、単純ながらとても好き(^^)。
 他に面白いと思ったのは、序盤の竜笛の音階と、後ろで鳴っている打楽器の音。これは偶然なんでしょうが、金属打楽器の音が、インドネシアの金属打楽器みたいに、ひとつの楽器からいくつもの音程が聴こえるんです。これが竜笛の不思議なメロディのうしろでまるで和声のようになっていて、すごく斬新な音楽に聴こえました。偶然かも知れないけど、こういう作曲家も演奏家も意図していない偶然性を楽しむというのが、ケージを日本に伝えた第一人者とも言えるのかも。

 「STILL TIME」(時の佇まい)は、笙の独奏で、4楽章で出来ていました。これが素晴らしかった!笙って、単音で演奏したり和音で演奏したり出来ますが、どういうシステムになってるのか、すごく不思議でした。そこで今回調べてみたところ…おお、和音は11種類と決まってるんですね。作曲家はこれをベースに作曲する事になるはずですが、この制限が作曲家の創作意欲を刺激するのか、現代邦楽で笙を使った名曲って多い気がします。これもそのひとつじゃないかと。3楽章の、バスラインを演奏しながら和声を奏でるところとか、きっと笙の演奏法自体の開拓があったんじゃないかなあ。これは見事な曲でした!

 石井眞木さんあたりもそう感じましたが、戦後の日本人作曲家って、西洋のパクリばっかりの職業作曲みたいなことしてるとつまらないですが、ひとたび邦楽に目を向けると、突如として独創性を発揮する人がけっこういるように感じます。理由は分かりませんが、一柳さん、現代邦楽作品は刺激的で素晴らしかったです!しかし、審査員や音楽祭主賓を務める天下の大作曲家に向かって、忖度なしに思ったことをストレートに書けるのも、僕がクラシックの世界を離れたからでもあるわけで、ちょっと悲しいなあ。。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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