
1995年公開(日本は96年)、サイコサスペンス系のアメリカ映画です。この映画、今は無きMというレコード会社のディレクターさんに薦められて観たんです、懐かしいなあ(^^)。僕にとっては、モーガン・フリーマンも
ブラッド・ピットも、この映画ではじめて観たのでした。そしてもうひとり、のちに映画『交渉人』でも素晴らしい演技を見せたケヴィン・スペイシーの素晴らしい演技も印象に残っています!
キリスト教の7つの大罪になぞらえた連続殺人事件が起きる。肥満男の死体の近くには「暴食」という文字、悪徳弁護士の死体のそばには「強欲」の文字が残される。定年まであとわずかとなったベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)は、犯人の目星をつけるも、すんでのところで取り逃がす。その際にミルズを殺す事も出来た犯人だが、なぜか犯人はミルズを逃がす。
事件を防ぐことが出来ないままついに5人が犠牲となり、連続殺人の犠牲者は残りふたりのところまで来る。残りの罪は「嫉妬」と「怒り」。犯人は自首をしてきて、サマセットとミルズだけに、残り二人の犠牲者の死体の在処を伝えると取引をしてくる。その場所には… この映画をはじめて観た時、始まってしばらくは、
『羊たちの沈黙』のバリエーションと思っていたんですが、見終わった時の感想はけっこう違いました。サイコサスペンス映画なのに、カッコいいとすら思ったんですよね。それも、刑事の活躍がカッコいいのではなくて、映画自体がスタイリッシュでカッコいいな、みたいな。

僕にこの映画を薦めてくれたディレクターのSさんは、この映画の中でモーガン・フリーマンが言ったセリフが胸に沁みたと言っていました。「人生を後悔した事は無いが、あの時選ばなかったもうひとつの人生について考えなかった事は無い」みたいなセリフです。Sさんがそう言ってたからという事もあるんですが、このセリフをずっと覚えてるんですよね。このセリフだけでなく、セブンにはいいセリフが多いです。有名なヘミングウェイの一節の引用もそう。でもって、僕の心に残ったセリフのほとんどが、定年退職間際の老刑事が言うセリフでした。これが、人生を考えさせると同時に、映画をスタイリッシュなものに仕上げていると感じました。
こうした
スタイリッシュさはセリフだけでなく、映像や編集にも強くあらわれていました。猟奇殺人の現場ですら何となくカッコイイんですよ。犠牲者となった娼婦を殺害した凶器までデザインセンスがあってスタイリッシュ。リアリティよりも映画自体のカッコよさを追ったものなのかな、と思いました。
たしかに90年代の映画はそういうスタイリッシュなセンスに溢れたものが多かったです。ティム・バートンが監督した『バットマン・リターンズ』も、キアヌ・リーブス主演の『マトリックス』も、トム・クルーズ主演『ミッシン・インポッシブル』もそう感じました。でもそういうカッコつけって、少しでも外すと逆に寒かったりガキくさく感じたりしがちですが、セブンはまったくそう感じなくて、すごく良かったです。
僕がサスペンス映画好きだったからか、最後のオチが途中で分かってしまって、そこだけはちょっとだけ残念でしたが、記憶に残っている作品です。ブラッド・ピットの出演映画ではこれが一番好き…とある時期までは思っていたんですが、その後にこれを超える映画を観ました。その話はまた次回!
- 関連記事
-
スポンサーサイト