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書籍『孤独な群衆』 デイヴィッド・リースマン著、加藤秀俊訳

Kodoku na Gunshuu_DavidRiesman 社会学の本です。内容は、1950年代のアメリカ合衆国市民の社会的性格を、それ以前の合衆国市民と比較して分析しています。上巻は第1部「性格」を収録、下巻は第2部「政治」第3部「自律性」を収録しています。

 おすすめは第1部「性格」です!著者のリースマンは、人間の性格のうち、その個人が所属している文化や社会集団から与えられる性格を、「社会的性格」と名づけています。そして、50年代合衆国では、時代によって社会的性格のマジョリティが変わっていって、いちばん古いのが伝統指向的性格。次に内部指向的性格、いちばん新しいもの(といっても、50年代ですが)が他人指向(または外部指向)的性格、としています。
 伝統指向的性格は、社会的慣行が制度化され定型化している高度成長潜在的な社会における社会的性格。この性格の人は、伝統に対して服従的な態度をとる。

 内部指向的性格は、人口が過渡的成長期を迎えた社会で強くなる社会的性格。伝統に頼らず、自分の中に培った価値に従って、目標に向かって生きる性格を持つ。

 他人指向的性格は、人口の初期的減衰期に生まれる性格で、個人の方向づけをするのは伝統でも自分の内部でもなく、まわりの同時代人になる。例えば、友人達とか、メディアを通してとか。

 第2部「政治」は、言ってる事は理解できましたが、でも130ページも使って書くことか?と思ってしまいました。内部指向は道徳屋になって、他人指向は情報屋になる…まあそりゃそうだろうけど、そりゃ球の速い奴がピッチャーになると言うようなもんですよね(^^;)。
 第3部「自律性」。これは、社会で人々がどう振る舞ってるかと照らし合わせながら述べているかんじでした。これも、第2部さえ読んでれば、わざわざ書かれないでもそうだな、と思える程度のものだったので、いらなかったかな(^^;)。

 性格に関していうと、この分析、人口が過渡的成長期を迎えた戦後日本や、人口の減衰期にある今の日本に当てはまってるように思えて、面白かったです。心理学系の本にもいえる事ですが、こういう本って、自分と照らし合わせて「ああ、分かるわ」とか「そういう事だったのか、なんとなく納得がいった」と思えるところがいいですね。僕たちが知りたい事って、結局は世界の事か、社会の事か、自分の事のどれかだと思うのですが、自分の事がいちばん把握しにくいと思うんですよね。それが「ああ、俺はこのパターンだわ」というのを、学術的に研究している本で知るって、本当に有益だと思います。それにしても、社会的性格の分類というのは、人権問題で色々言う人もいそうな内容ではあるけど、でも実際に当たってそうですよね(^^)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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