
声を張って朗々と歌う戦後昭和歌謡の男性ヴォーカリスト、4人目は松崎しげるさんです…黒いな(顔が)。僕が松崎さんをはじめて知ったのは、子どもの頃に観たコメディタッチの刑事ものテレビ番組『噂の刑事トミーとマツ』でした。小学2年生でしたが、クラスの友達と「あれ、面白いよね」な~んて話していたのが昨日のことのよう。普段は弱々しいけど、いざとなると豹変して強くなるトミー(国広富之)の真似をしてゲラゲラ笑ってました…懐かしくて涙が出るよ。国広さん、なんであんなことに…。
そんな
楽しいドラマを見てひと通り笑ったあと、エンディング・テーマとして流れていたちょっとシリアスな曲「マイ・ラブ」に感激してました。中古盤でこのCDを見かけたときは、「あの曲入ってるかな?」と探すと…おお~入ってた!というわけで即買いでした(^^)。
先にダメな点を書くと…このCD、マスターテープが安定しなくてピッチがふらつくところがけっこうありました(覚えている所では「おもいで」「ガール・ガール・ガール」「愛の静けさ」)。これはいかんでしょ(= =*)。
音楽は歌謡曲で(たまにフォークや演歌調、そして何故かディスコっぽい曲もあり)、バラード調で朗々と愛を歌い上げる曲が多いので、バニー・マニロウやフランク・シナトラあたりを意識してるのかな、と思ったり。
曲はすべて長調か短調の典型的な昭和歌謡なので、転調などの作曲面での仕掛けや工夫をさがして聴いている自分がいました。そういう視点で言うと、39曲入っている中で工夫があったのは5曲。C.Jenkins-C.Barrtt「想い出の砂浜」、レノン-マッカートニー「This Boy」、三浦徳子・林哲司
「雨の微笑」(出だしの詞「少しやせたよね、はじめての頃より」の詞にもシビれました)、S.Gibb-B.Fassman「愛を信じて」、そして山上路夫・都倉俊一「マイ・ラブ」。松崎しげるさんって、なんとなくおじさんやおばちゃん趣味なダサい感じがするじゃないですか。たしかにそうなんですが、それでもこのへんの曲はいいと思いました。
70~80年代の歌謡曲って、リアルタイムで聴いていた頃は感じなかったけど、時がたってから聴くと、色々と時代の色を感じられていいですね。数年前に紅白歌合戦を見た時、今の人の作曲とレベルが昔より段違いに良くて感心したんですが、でも技巧のための技巧とも感じたんですよね。同時に、詩はえらくガキくさくなったな…みたいな。それって音楽をやる人は音楽だけしかしない状況になって、音楽自体のクオリティは上がったけど専門馬鹿になった、みたいなところなのかも。80年代の歌謡曲は、クオリティは今より低いけど技巧が情緒を生み出すために使われていて、どっちがいいというものでもないけど、そこに時代の差を感じました。そして、「マイ・ラブ」と「雨の微笑」はやっぱりいいなあ(^^)。
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