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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『シェーンベルク:歌劇《モーゼとアロン》、室内交響曲第2番 ブーレーズ指揮、BBC交響楽団・BBCシンガーズ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン』

Scoenberg_Moses und Aron_Boulez_BBC ブレーズは「モーゼとアロン」の録音を2回行っていて、これはBBC響と演奏した1974年録音の古い方です。ロイヤル・コンセルトヘボウの演奏があまりにすごくて何十回も繰り返し聴いてしまい、好きが昂じてこっちも買ってしまいました(^^;)。そして…いやあ脳汁が出てしまいました、これもすごい!あ、そうそう、カップリングの室内交響曲2番の演奏はBBC響ではなく、アンサンブル・アンテルコンタンポランです。

 何度も聴いていて僕が感動するのは、これが12音列技法で書かれたからとか、そういう所ではない気がしてきました。もちろん、音列を関係づけて大きな構造を作っているのは聴いていて分かるし、トゥエルブトーンだから間接的にドミソから解放されたとかそういうところはあるでしょうが、感動そのものは技法自体じゃないのでは。だって、序章を聴いても分かりますが、シェーンベルクのセリーの使い方って、ハウアーみたいに厳密なわけではなくて、どちらかというとさらに感動的な和声を生み出す事を、ムズカシくならず簡単に生み出すために使っている気がするるんですよね。
 シェーンベルク自体は、法則に支配させるのではなくて、おおむねの楽曲構造は自分で作り、要素どうしの関係構造だけ音列技法を用いる事で余分な選択肢に悩む事から逃れたのかも。そして、この自由作曲による構造の連なりとか、機能和声から逃れた後の和声選択のセンス、ここに古典派やロマン派の楽曲分析も神がかりに優れているシェーンベルク(あ、これは彼が書いた「和声法」や「作曲の基礎技法」を読むと分かります)のとてつもないセンスを感じます。僕は、無調や音列技法以前の「浄められた夜」とかばかりじゃなく、無調以降のシェーンベルクの管弦を使った曲もけっこう聴いてきましたが(こんなCDとかね^^)、モーゼとアロンは無調以降のシェーンベルク管弦の中で、管弦の響きの面でとくに素晴らしい作品と思いました。

 ブーレーズがなんでこの曲の再録にチャレンジしたのか分からないほどの素晴らしさ、演奏も合唱もソリスタも、録音だって素晴らしいです。心臓がプルプルってなってヤバい状態、この曲だけでずっと鳥肌がおさまらない…。。なんと形容していいか分かりませんが、芸術的な感動というのはこういう事をいうのかも。未完とはいえ、20世紀の西洋音楽の傑作のひとつではないかと思います。
 
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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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