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Category: CD・レコード > ロック・ポップス   Tags: ---

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『Vanilla Fudge』

Vanilla Fudge 1967年発表、アメリカのロックバンドのヴァニラ・ファッジのデビュー・アルバムです。邦題は「キープ・ミー・ハンギング・オン」、今になって見ればティム・ボカートとカーマイン・アピスという強力なリズム隊を擁したバンドとして有名なんでしょうが、はじめて聴いた中学生の時の感想はちょっと違いました。

 カッコいいと思う反面、混乱したんですよね。カッコいいと思ったのは、ギュインギュインと鳴りまくるハモンドB3オルガンの強烈さ、コーラス・アンサンブルや劇的構成を含めたアレンジの見事さ、えらくヘヴィーな演奏、そしてMCが間に挟まったり実験的なサウンドが飛び交うなどするアート・ロック的なところ。こういう所だけなら、ブルー・チアークリームやクイックシルヴァー・メッセンジャーズ・サービスあたりと対等で、問答無用で好きになったと思うんですよね。
 ところが演奏する曲は、ビートルズ、インプレッションズ、ゾンビーズ…さっきの特徴とは裏腹の、ヴァニラ・ファッジより格下に感じる軽いビート・ミュージックのカバーばかり。これをどう理解していいのか分からなかったんですよね。だって、自分より格下のグループの曲なんて、普通カバーしますか?というわけで、クソカッコいいと同時に売りに走ったアルバムなのかな、とも思ったんです。クリームのセカンドとか、ああいうイメージ。

 久々に聴いて、僕はブリティッシュ・インヴェイジョン以降しばらくのアメリカのロックの歴史がよく見えてないのかも、と思いました。たとえば64~66年あたりのアメリカのロックにどういうものがあったのか、パッと答えられないんです。その時代ってフォーク・リバイバルのちょい後で、もしかしたら本当にアメリカのバンドの多くはビートルズに憧れていたのかも知れません。考えてみたら、ジミヘンだってビートルズのカバーをしてましたしね。ヴァニラ・ファッジも決してビートルズを格下になんて見ていなくて、自分たちの好きな音楽を、自分たちなりのアート・ロックな解釈と演奏技術でやったらもっとカッコよく出来るんじゃないか…これぐらいの気持ちだったのかも。

 67年というと、クリームにせよ何にせようまいバンドはイギリス、アメリカではフランク・ザッパですらまだマザーズ時代でうまいとはいいがたい状態でしたが、ジミヘンやヴァニラ・ファッジの登場でようやくアメリカン・ロックのレベルがイギリスに追いついてきたのかも知れません。ただ、全曲カバーという所が、演奏は追いついたけど作曲はまだまだ。アメリカン・ロックの独立蜂起はあと少しだけ後。しかしカッコいい演奏だなあ、アレンジはもちろん、カーマイン・アピスだけでなくプレーヤー全員が素晴らしいです(^^)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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