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『Julio de Caro Y Su Orquesta Típica / Reliquias - Tangos de Rompe Y Raja』

Julio de Caro Orquesta Típica_Tangos de Rompe Y Raja フリオ・デ・カロ(1899-1980)はヴァイオリニストで、「近代タンゴの祖」と言われるタンゴの偉人。自分の楽団を率い、娼館でのカップルダンスか町の流しぐらいのものだったタンゴにスコアとアレンジを定着させ、これがタンゴの芸術音楽化につながったんだそうです。これはフリオ・デ・カロ楽団(オルケスタ・ティピカとは、ラテン音楽の楽団の事で、8~12人編成が普通)のオムニバスCD、20曲入りです。なぜ僕がこのCDを買ったかというと、僕が知っている数少ないデ・カロの曲「Boedo」「Copacabana」「Recuerdo」「Todo corazón」「Flores Negras」「Tierra querida」がすべて入っていたから。オムニバス盤って、自分が欲しい曲がすべて入っているものって意外とないんですよね(^^;)。
 フリオ・デカロの楽団は、1924年から30年あたりまでが通常のタンゴ楽団編成で、以降は色々と斬新な事をやったはずだから、これは1924~30年あたりの録音じゃないかと。

 古風で、ヨーロッパ音楽の流れにある気品と、アルゼンチンの大衆性の共存した感じ、いいなあ(^^)。録音が古いもんで、音が潰れて楽器編成もよく分からないんですが、もし通常のタンゴ・オーケストラだったとしたら、コンバス、ピアノ、バンドネオン2台、ヴァイオリン2台の6重奏団だったはず(第2ヴァイオリンがもしかすると他の楽器かも)。ピアノの音なんて潰れてどういう和音を弾いているのかも僕の耳では聴きとれず、コントラバスも聴こえたり聴こえなかったり。だから実際にどうだったかは分からないんですが、ピアソラあたりと比べると、かなりシンプルなオーケストレーションと感じました。コンバスとピアノがリズムセクションで、ヴァイオリン隊とバンドネオン隊がラインで絡む、みたいな。それだけに、タンゴのあの4/4のズン・チャッ・チャッ・チャなリズムを強く感じました。

 でも本当は、このCDよりもっともっとカッコいいアレンジだった気がします。ピアノもコードとバスだけでなくおいしい対メロ弾いてそうだし、セクションも常にトゥッティというわけでもないので、実はかなりイケてるアレンジだった気もするんですよね。ただ、本当に録音が古くてよく聴こえないよ~ん(^^;)。

 フリオ・デ・カロが自分のオルケスタ・ティピカを率いたのは1923年から54年まで(デ・カロは54年に現役引退)。1920年代の時代の大衆音楽でここまでやったら相当なもので、ある意味でシャンソン級、ジャズよりよほど進んだ音楽だったかも。考えてみればアルゼンチンはイタリア移民が多い白人社会だし、貿易航路を考えてもヨーロッパ音楽はよく入ってきただろうし、他のラテン音楽のリズムもどんどん入っただろうし、実は北米よりも音楽的に有利だった筈ですもんね。フリオ・デ・カロの曲は現在でもタンゴ楽団が良く演奏する、タンゴ界のコール・ポーターみたいな人。20世紀初頭の白人ラテン音楽って、今のポピュラー音楽よりよほど豊かな音楽だったんじゃないかと思ってしまいます。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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