心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『Freddie Hubbard / Here to Say』

FreddieHubbard_HeretoSay.jpg 仕事が忙しくなってしまって、ブログが書けない(>_<)。しかし…嬉しい事に、夏に続いてまた音楽の仕事のお誘いが来ました!!いやあ、現役でプロミュージシャンをやっていた頃はお誘いなんて全然なかったのに、プロの道を諦めてからは、たまにですけど声をかけてくれる人がいる。本当にありがたい、僕はきっと自分が思ってる以上に音楽が好きなんだな…。さ、練習しよう。

 な~んてわけで、このレコードは、その仕事の都合で参考資料として久々に引っ張り出して聴いた1枚。トランぺッターのフレディー・ハバードさんのリーダー作です。で、何を調べたのかというと、このレコードにはジャズの名曲バラード「ボディ・アンド・ソウル」が入っていて、それをアレンジ/演奏しなくてはならないわけです。このアルバムに入っているボディ・アンド・ソウルの印象がすこぶる良かったので久々に聴いてみたわけですが…うわあ、こんなに素晴らしい演奏だったっけ、鳥肌が立ってしまった…

 フレディー・ハバードというトランぺッターさんは、ジャズの歴史でいうと、「新主流派」というか、モードジャズ登場以降の東寄りのジャズのメインストリームで活躍した人です。ブルーノートというレーベルは、このCDが録音された1962年前後は、こういうバップとモードの両方を引き継いだようなジャズを中心に持ってきていて、これが結構面白い。今となっては、ジャズは典型的な型をみんなで真似する音楽となってしまった感じ(日本に至ってはビジュアル系インストポピュラーにまで堕ちた感じがする(;_;))ですが、この頃は相当に創造力がある。聴いていて、感心する事ばかり。ただ、少し理論的な所での探究もあったので、音楽がはじけきらないというか、演奏家の方々が、自分たちの作り出している音楽を演奏しきるところまでなかなか追いつけないというか、そんな所があります。モード曲の前で右往左往して、似たようなメロディを繰り返してしまうサックスの人とかもチラホラいますしね。で、ハバードさんには、これらを消化しきった大作や名作が幾つかあるのですが(いつか紹介したいです!)、これはどちらかというと大作の間に挟まれた佳作集という感じ。曲もオリジナルではなくスタンダードが多いです。しかし、これが素晴らしい。

 まず、先にも書いた"Body and Soul"。この曲を最初に聴いたのはいつの頃だったんだろうか、多分高校ぐらいだったと思うのですが、最初は「??」という感じでした。ちょっと面白い和声進行をする曲で、短調の美しいバラード…かと思いきや、3小節目にしてすぐに長調に転調してしまいます。で、普通の調重力の感覚に慣れ切っていた僕には、それが不思議な感覚というか、ある意味で「音痴」に聴こえたんです。調の重力が分からなくて、どこを泳いでいるんだから見失ってしまう感覚…似たような感覚は、クラシックの無調音楽で痛感した事があるんですが(シェーンベルクという作曲家の「月とピエロ」という曲)、それの少しソフトな感じ。つまり、音楽を聴く側として、まだ耳が幼かった。ところが、色んな音楽を聴くようになって、売れないながらも何とか音楽でお金をもらえるようになるぐらいにはなれて、そして戻ってくると…うおお、こんな素晴らしい曲があるだろうか、と感じている自分がいる(^^)。この曲は色々なアレンジや演奏のされ方をした録音がいっぱいあるのですが、このレコードは、真正面からこの曲に取り組んでいるというか、演奏が非常にムーディーというか、ものすごく曲の良さを生かした感じです。トランペットでのジャズ・バラードの素晴らしさを味わうに、この名演は極めつけ。素晴らしすぎです。
 そして、他の曲も粒ぞろい。例えば、アルバム1曲目の" Philly Mignon"なんて、快速ジャズあでありつつ、どこかに新主流派的なひねったアイデアが見え隠れして、かなり美味しい所を突いている感じだし、終曲"Assunta"は、ピアノで執拗に繰り返されるモチーフの上を、ウェイン・ショーターのサックスとハバードのトランペットが、ペアのフィギュアスケートのように見事に絡みながら旋律を描き出していきます。こんな感じで、聴いていて色々な挑戦への発見があるのですが、しかし難しすぎる挑戦が無かったことが、演奏を停滞させる事なく快演へと導いたんじゃなかろうか。難しい事をやりすぎて疲れて、「ちょっともう少し自由にやってみない?」みたいなノリだったのかも。

 いやあ、これも素晴らしいアルバムです。このアルバム、僕はハバードさんが好きで、中古盤屋にたまたま置いてあったから買ったというだけだったのですが、本当に素晴らしい。名盤と言われているレコードに挟まれて目立ちにくい1枚ですが、方向性が違うというだけで、見方によってはこちらの方が音楽の急所を突いているかもしれません。いい音楽との出会いは、何が切っ掛けになるか分かりませんね。このレコードを中古盤屋に売ってくれた人、ありがとう(^^)。


関連記事
スポンサーサイト

Comments

10 2017 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
検索フォーム
アド
これまでの訪問者数
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS