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Category: CD・レコード > ロック・ポップス   Tags: ---

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『Lou Reed / Metal Machine Music』 (The Amine β Ring 盤)

Lou Reed_Metal Machine Music_The Amine Ring 1975年発表、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードが発表したアルバムです。なんとこれ、電子音楽です。僕が持っているのはThe Amine β Ring 盤。こだわって買ったわけじゃなくて、僕が若い頃はCDではこれしか入手できなかったんです。ひとつだけ分かるのは収録時間が違うんですが、他はオリジナルとどこが違うのか分かりません。でもこれがけっこうなプレミアなんですよね。何が違うんだ…知っている方はぜひ教えてくださいm(_ _)m。

 発音源のいくつかはエレキギターですが、あとは本当に分からない…。でも楽器ってアタック音をカットしたら何の楽器なのか区別するのは困難になるといいますし(by『音楽の基礎』芥川也寸志)、そんな事はどうでもいいのかも。
 発音源は分からずとも、発音された音がどう加工・変調されていくかはエフェクター遊びに凝った事のあるシンセ奏者やギタリストなら想像がつくんじゃないかと。メインとなるトレモロがかかった電子音がふたつほど聴こえ、リング・モジュレーターで変調され、それがフィードバックされて延々と続き、ここにいくつかの干渉してくる電子が混ざり…みたいな。そういう音で作られたこの音楽がどういう特徴を持っているかというと、ひとつはノイズという割に音がまったくやかましく感じられず、むしろ心地よい事。もうひとつはアンチ・クライマックスである事です。

 まずは音の心地よさ。ホワイトハウスでもSPKでもメルツバウでもいいんですが、有名どころのロック系ノイズ・ミュージックのえげつない音の暴力と違って、音色がソフトで心地よいんですよね。これはリヴァーブやアナログディレイなんかのあの温かみのある音とか、コーラス系のエフェクターを使うからそうなるんじゃないかと。
 そうやって出されるそれぞれの音はホワイトノイズやピンクノイズのように帯域を埋め尽くすものではなく、ある意味でいえばメロディすら聴きとれてしまうので(メロディといったってトレモロとか、そんな感じですが)、けっこうフラグメンツを組み立てる従来の西洋音楽と似たような構成の音楽ではあるんじゃないかと。そういう意味ではノイズ・ミュージックなんてもんじゃなくて結構音楽的に聴こえました。同じようなものの金太郎あめな音楽を聴くより、聴いている側が積極的に音をしっかり構造化していく事になるので、音楽的な悦楽が高かったです。これを聴いて「ノイズだ」という言葉が最初に来てしまう人には、そういう風に感じる事は難しいかも知れませんが(^^;)。

 次に、アンチ・クライマックスな音楽である事。ノイズ・ミュージックに入るかどうかはともかく、音響やサウンド・プレッシャー自体が大きな音楽要素になっている音楽ってありますよね。でもそれが表現幅を持つものとしての音色の扱いとか、構造を生み出す様式に組み込まれて使われる事は普通にあります。高柳昌行EXIAS-J はその最高到達点と思うんですが、こういうのはノイズと言われはしても実に音楽的。でもメタル・マシーン・ミュージックは、飽きない程度に色々と音が変調したり抜き差しされたりはするんですが、そういう音楽性からは離れて感じました。その瞬間ごとには飽きずに面白いけど、音はどこに向かうでもなくずっと連続しているんですよね。ホラー映画に例えれば、問題が解決するでも元凶と対決するでもなく、ただゾンビがずっと出てきては退治しているだけ、みたいな。ずっとゾンビが来ているからその瞬間ごとの刺激は継続するけど、全体がないな、みたいな。でもそれがあまりに露骨なので(音がいきなりぶった切られて次の面に移るとか)、むしろそれを狙っているのだな、と思ったりもしました。

 70年代に入ってふたたび産業音楽化していくロックの流れに逆行する行為、そして全体のなさ、これがこのアルバムなんだと思いました。この音楽を聴いて僕が真っ先に思い浮かべたのは、昔VHSで出ていた『Performance - New York City』というライブ・ビデオ。これ、フィリップ・グラスやスティーヴ・ライヒといったややポップな現代音楽寄りな人から、けっこうパフォーミング・アーツに近い人、そしてローリー・アンダーソンも出ているんですが、もしこの中にメタル・マシーン・ミュージックが入っていたら、すごくなじむと感じたんですよね。これをひと言であらわすなら、ニューヨークのポップでアヴァンギャルドなアート・パフォーマンス。メタル・マシーン・ミュージックはこの文脈で説明しようとするとものすごく分かりやすく感じます。分かりにくく感じるとしたら、75年周辺のロックや、ルー・リードのアルバムの流れで理解しようとするからじゃないかと。そういえばルー・リードって、ローリー・アンダーソンと付き合ってたし、そもそもルー・リードが在籍していたヴェルヴェット・アンダーグラウンドも、バンドというだけではなくニュ-ヨークのアート・シーンの関連から売れていったバンドでしたしね。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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