『Ash RaTempel』

AshRaTempel.jpg ハマってしまったら病みつき必至、暗黒のドラッグ世界・ジャーマン・プログレッシブ・ロックの最高傑作です!!(あ、あくまで私的見解です^^;)。バンド名は「アシュラ」、これは直訳すれば「阿修羅寺」、という事になるのかな、国粋主義の分裂ドイツ時代にしてこのバンド名、カッコよすぎる…。イエスやキャメルや「other side of the moon」以降のピンクフロイドあたりの「プログレ」的なイメージは全く通用せず、むしろサイケデリックに近い世界。「これでドラッグやってないと言われても誰も信じないだろうな。しかも植物系じゃなくって鉱物系に手を出してるに決まってるわ^^;」というようなドロドロにダークなインプロヴィゼーションが延々と続きます。アモン・デュール、エンブリオ、グルグル、そしてこのアシュラなど、ジャーマン・プログレに通底するのはここなんじゃないかと思います。

 全2曲、どちらも20分近く続くインプロヴィゼーション…とはいえ、実際にノープランでこの音楽を成立させることが出来ると思ってはいけないと思います。導入部、全体を支配する事になる基本的なモード・スケール、音楽のクライマックスで暴発するパフォーマンス…うまく行くかどうかはやってみないと分からない、というようなタイプの即興ではなく、これはうまく行って当たり前だ、というぐらいに要所は予め押さえてから音楽に入って行っていると思います。冒頭のオーケストレーション・パート(メロトロンのストリングス?)、オルタード7th(いや、もっとストレートにディミニッシュなのかも)系の不穏な旋法、本編に入って一気に加速していくトリオ・インプロヴィゼーション。怪しげでありながら苛烈な演奏。いやあ、これはカッコ良すぎるだろう…。要所は完全にデザインしてありながら、しかしインプロヴィゼーションに突入すると没我の境地かというぐらいまで苛烈に狂っていく。で、この狂い方が、サイケ的なデタラメじゃなくって実に素晴らしい演奏、特にドラムの素晴らしさは言葉では伝えがたいほどにスゴい。。デザインなしの垂れ流しインプロヴィゼーションというのなら、良し悪しは兎も角として誰だってできると思うんですよね。音楽をデザインするなんていうのも、良し悪しは別として大体みんなやる。しかし、これだけの演奏上での暴発を許容しておきながら音楽の見事なデザインを活かし切るというのは、本当に少ない。まず、これだけの演奏を出来るプレイヤーという時点で、演奏できる人は限られてくるでしょうから…。こういう感じの音楽としては、日本の即興グループのEXIAS-Jというグループのエレクトリックでのインプロヴィゼーションが凄まじすぎて感動した事がありますが、それよりも40年も前にこれほどの音楽を演奏するグループがいたとは。う~ん、ジャーマン・プログレ、やっぱりすごいです。。

 で、このバンドにはキーマンがふたり。ひとりはマニュエル・ゲッチングというギター/エレクトロニクス担当。うまいとは思わないのですが、しかしヤバすぎるセンスがカッコ良すぎる。もうひとりはクラウス・シュルツ。これはジャーマン・プログレどころか、シンセサイザー・ミュージックの大家として知られていると思うのですが、ここではなんとドラムを叩いています。そして、このドラムのプレイが凄まじい!!これでぶっ飛ばない人なんていないだろう、というぐらいに凄いドラミングを聴く事が出来ます。僕は、このゲッチングのドロドロギター&シュルツの苛烈なドラム&アシュラ全体の怪しいムード…というのに一度ハマってしまうと抜け出せなくなったわけですが、しかしバンドは途中からシンセの瞑想音楽みたいな方向に舵を切ってしまい、この超絶インプロ路線は短命に終わってしまいます。でもこれはなんとなく分かるというか、この方針だとインド音楽的になるというか、すごいんだけどバリエーションを生み出すのは難しくって、LPみたいな形で新作をどんどん作る、みたいなことが出来ないんでしょうね。

 個人的には、ロックはもとより、ジャズ愛好家の方にも、またクラシック愛好家の方にもぜひとも聴いていただきたいと思う必殺の一枚です!


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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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