『Manuel Gottsching, Ash Ra Tempel / The Private Tapes vol.6』
アシュ・ラ・テンペルでのクラウス・シュルツのドラムのプレイを聴く事が出来るものをずっと気にかけていた僕が、中古盤屋でみつけたのがこのCD。アシュラというより、その中心人物であったギター/シンセサイザーのマニュエル・ゲッチングさんの未発表作品集なんだと思います。全部で第何集まででているのか分かりませんが、僕が聴いた事があるのはアシュラ・テンペルでシュルツさんがドラムを叩いているパフォーマンスの入っている2,3,6のみ、完全に狙い撃ちです( ̄ー ̄)。 で、この第6集は、1978~9年のアシュラが3曲、そして例のシュルツ在籍時の1971年Ash Ra Tempel のパフォーマンスが1曲という構成で、アシュラ好きとしてはこの第6集が一番のねらい目かと。で、ですね、Ash Ra Tempelは1曲だけなのか…と思いきや、それが54分を超えるパフォーマンス!!もう、この1曲だけでアルバムになっていても全然不思議じゃない。で、曲のモチーフと構造はですね…あのファーストの1曲目と同じです。しかも、もしかしたらこちらの方がパフォーマンスの出来はいいんじゃないかというほどの素晴らしさ、ヤバさと白熱度が桁違いの、ものすごいパフォーマンスです!!トランス状態かというぐらいの爆音インプロヴィゼーションになってからは音が潰れまくっているのですが、むしろそれがカッコいい(^^)。レコードだと54分のパフォーマンスをノンストップで収録する事は不可能ですからね、これはCD時代になったからこそ実現した発掘リリースと言えるかも。 他には、オルガン(消え去る事のない和音がドローン)のような使い方をされているシンセの上をギターが漂う、アシュラ時代の78年のパフォーマンス(これも11分と決して短くはない)がかなり良かったです。2~3曲目は一変してショボショボで、楽器歴1年みたいな人がペンタトニックだけでジャムしました、みたいなグダグダな音楽(^^;)、これはつまらなかったですが、まあほかの2曲で65分を超える素晴らしい音楽を聴かせてくれたのだから、充分元は取れたという感じ(^^)。基本的に、ゲッチングさんという人は、楽器はうまくないし、素晴らしいコンポジションが出来るような音楽理論や作曲技法などを身につけている人でもないと思います。では、それでもなぜこんなに素晴らしい音楽を幾つも作る事が出来るのかというと…