『Chet Baker / Touch of Your Lips』

ChetBaker_Touch OfYourLips ジャズのトランぺッター&ヴォーカリストである、チェット・ベイカーの作品です。僕はこの人が大好きなのですが、その中でも一番好きなのがこのアルバムなのです(o^―^o)。

 チェット・ベイカーというのはアメリカ西海岸のミュージシャンで、1950年代には既にリーダーアルバムも残してます。実力は相当なものだったようで、ジャズの大巨人であるチャーリー・パーカーがマイルス・デイヴィスに「チェット・ベイカーはすごいぞ、気をつけろ」みたいな話をした、な~んていう逸話が残っているほど。しかもハンサムでモテモテ、ところが女や麻薬にだらしのない性格が仇となり、マフィアにぶん殴られて歯を折り、トランペットがまともに吹けなくなってしまったそうな。要するに、ペットをパラパラ~って華麗に演奏したくても、息が漏れてしまう。というわけで、友人のトランぺッター曰く、「チェットの評価は歯が折れる以前と以降では全く違ったものにせざるを得ない」んだそうで。そしてこのアルバム、その「歯が折れた後」のレコードなのですが…いやあ、ため息が出ちゃうほどに素晴らしい演奏です。僕は、そういう技術的な事よりも、音楽のすごく大事な所を見事に捉えた、齢をとってからのチェットさんの方が断然好みなのです。。

 齢をとってからのチェット・ベイカーさんというのは、自分のカラーがはっきりしていて、感傷的なしっとりとした音楽を演奏します。これが、単に「やたらとしっとりと演奏する」というムード的な方面だけではなくて、フレーズをものすごく綺麗に組み立てる。アドリブになると、ここぞとばかりに「演奏技術」的なものをガンガンぶつけるとか、逆にムードやニュアンスばかりでフレージングなんて全然ないというジャズマンは結構いるんですが、チェット・ベイカーという人はすごく曲それぞれの良さを活かして音楽を仕上げるんですよね。これがため息が出るほどに素晴らしい。1曲目"I waited for you"のフレージングなんて、到底アドリブとは信じがたいほどの見事な組み立て。他にも、 "Touch of Your Lips", "Autumn in New York"などなど、選曲のセンスも素晴らしすぎます。そして…このアルバム、トランペット&ヴォーカル、ギター、ウッドベースのトリオなんですが、このドラムレスのサウンドが素晴らしすぎる。特に重要なのはダグ・レイニーさんというギタリストで、これが和声とメロディを実に巧みに操り、しかもジャズギター特有のソフトであったかい音で音楽全体を支配します。僕はジャズギターというのは、リーダー作となるとつまらないものが多いけど、バッキングとなるとジャズギター以外では得られないような温かい音楽となるものが結構あったりする、と思ってるのですが、これはまさにその例。なんか、ロッジで夜に暖炉で温まりながらホットミルクを飲んでいるような快感…。名前からすると、名ギタリストのジミー・レイニーの息子さんなのかな?

 個人的には超がつくほどの大名盤だと思っているのですが、あまり取り上げられないのが残念。若い頃のチェットさんしか聴いた事のない人は、この老練してからの音楽家の辿り着いた世界をぜひ一度味わってほしいと思ってしまいます。大推薦!!



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Bach Bach

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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