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Category: CD・レコード > ロック・ポップス   Tags: ---

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『HUMBLE PIE』

HumblePie.jpg このローカル極まりない個人の音楽ブログですが、始めてみると色々な方に出会う事が出来て楽しい(^^)。神戸在住/デザイナー/妻と猫と暮らしている/このブログの音楽の趣味…たったこれだけのキーワードから、僕が誰かを言い当ててきた昔の友人がいたのにはビックリ!で、そんなブログを通じて知り合った方の中に、「四畳半大学」という素敵すぎるタイトルのTwitterをなさっている方がいまして、読んでいると、ジェームス・ブラウンとかグランド・ファンクとかハンブル・パイとか、僕が若い頃に身を焦がしたロックバンドの名前がわらわらと出てくる!!ハンブル・パイかあ…あれは素晴らしすぎるロックバンドだった。で、ゴソゴソとCDの棚を漁って、20年ぶりぐらいにハンブル・パイを聴いている次第です(^^)。

 これは、彼らのサード・アルバム。日本では『大地と海の歌』なんてタイトルで出ていました。ファーストがバンド名のみというのはよくある話ですが、サードがバンド名のみというのはちょっと珍しい(^^)。レコード会社も変わったし、心機一転、これこそが俺たちのアルバムだ!という感じなのかも。でもって…僕的にも、ハンブル・パイの作品の中では、これが一番好きです!!はっきり言ってダントツです。
 ハンブル・パイというと、ギターのピーター・フランプトンと、ヴォーカルのスティーヴ・マリオットのふたりがとにかく有名。そして…アルバムの詳細をウダウダいう前に、まずはヴォーカルのスティーヴ・マリオットの凄さを伝えたい!僕的には、ロックで一番すごいヴォーカリストは、ジャニス・ジョプリンでもロバート・プラントでもなく、ハンブル・パイ在籍時のスティーヴ・マリオットなのです!!発声が際立ってスゴイのは聴いたままですが、抑えて出して溜めて突っ込んで、更に潰したり綺麗に出したり、震わせたり張ったり…その表現力が凄すぎる!!そして、その表現力が最も発揮されたパフォーマンスが、このアルバムの1曲目"Live with Me"だと思っているのです。ここにはロック・ヴォーカルに託された表現というものが全て詰まってる!!この曲の謡い出しは"in the midst of all my sorrow…"という感じなんですが(俺のヒアリングが間違ってなければ、です^^;)、アタックだけ少し強くしたピアノから、次第にフォルテして行きながらのトップノートまでもって行き、その間にクリアな声色をだみ声調に変化させ(記号的に書くと、mminnnnnzzzzzthemmmmi-----st みたいな感じ)、トップ前いった直後に少し溜めて…みたいな感じで、たった4拍の間の表現がものすごい。表現の情報量がけた違いです。また、オペラとかジャズみたいな舞台用の歌唱ではなくって、あくまで話し言葉の延長でこういう歌につながっていくという境界侵犯的なニュアンスが素晴らしい!!なんか、「舞台のための」というある種の「用意された聖域の中だけの日常からの逸脱」ではなくって、「日常から地続きに存在する空間で行われる逸脱」という感じなのです!自分でも何言ってるのか分かりませんがww。。また、この冒頭の歌詞だけでも、引きずり込まれませんか?"in the midst of all my sorrow…"って、うわあって思っちゃいます。。

 そしてこの曲への引き込みは歌詞やヴォーカルだけではありません。曲自体の劇的構成が素晴らしい。まずはイントロ。キーは簡単にいえばCマイナーなんですが、ギター自体はマイナー調というよりもCペンタトニックの5音音階をラフに行き来している感じで、単位はCm→Fの往復横跳びで4小節単位。極端にいってしまえば、この曲の90%は、たったふたつのコードで出来ています。これが、最初の2回し(=8小節)はハモンドオルガン独奏でテーマの提示。次の3回し目がドラムがインテンポで演奏し始めてオンビートを提示するとともに、オルガンのテーマ自体にギターをオブリ的に重ねる事でテーマの展開。4回し目にオルガンがテーマ変奏、次にハモンドの倍音スライダーを操作してのロータリー効果からへテーマ変奏の展開形を作り、メロディラインも1オクターブあげダイナミクスもメゾでフォルテに、次のひと回しは更にオクターブ上でフォルテにまで達し、音楽的なひとつのトップを作ったところで一気にズド~ンとメゾピアノまで落としてハモンドをどけ、スッカスカに音のスペースを作ったところであのヴォーカルが…という展開です。ゾクゾク来ます。ヴォーカル登場までおよそ90秒、ここまでの間だけでも、たったふたつのコードで劇的展開を作り上げ、もう釘付けです。。いやあ、これは鳥肌モノだわ…。しかし、この曲の劇的構成はイントロだけでは終わらず、ツーコードをワンスケールで演奏するという規約の少なさからか、ギターの表現もメチャクチャ素晴らしく、最後の最後でついにポピュラーミュージックで和声的劇的展開を唯一作るドミナント(この曲ではG7)が登場!かと思いきや、それを同主調へのドミナント転調に用いてCマイナーへと転調!!したところでC→Cmへの更なる同主調転調!この曲唯一の劇的展開は、長々と続いた曲のターンバックで唯一登場するだけなのです。このタメがあるから、劇的展開が来た瞬間の快感が凄まじいんでしょうね(^^)。。

 う~ん、なんだか1曲目に関してだけでもいくらでも書けそうですが、日本盤のアルバムタイトルとなった"Earth and Water Song"も素晴らしい。アコースティックギターの、メロディを交えた非常にきれいなストロークプレイが素晴らしいんですが、これをエレクトリックなロック・バンドのサウンドの中に交えていくこのサウンドデザインが秀逸。次第にバンドサウンドを交えていく構成といい、Bパートの和声進行がギター音楽ならではの美しさといい、2コーラスBパートで初めてうっすらと出てくるハモンドの美しさ、エンディングの作り方、コーラスを簡単に循環させずにエレキギターのソロパートを1順前に予兆させるブリッジの挟み込み…これも書き始めたら終わりそうにないなあ(^^;)。いやあ、構成的な事ばかり言ってますが、それを音楽的に表現していくバンドもヴォーカルも素晴らしいです。ロックバンド、侮れません。。

 ああ、書き始めたらきりがありません。簡単にいえば、アコースティックなイギリスのフォークと、ロックンロールなエレキロックバンドというふたつの側面を、劇的構成という非ポピュラー音楽的な視点から作り上げたと言えそうなアルバム。ロックン歴史の中でもキラリ輝く名盤と僕は思ってます!!ロック好きと言っておきながらこのアルバムを聴いた事がない方がおられましたら、すぐにアマゾンをポチるか、ダッシュでレコード屋に行くことを薦めます!!また、ロックかどうかに限らず、音楽が好きだというなら、これは絶対に聴くべき!!僕にとっては絶対の1枚です(^^)。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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