
超絶ヴォーカリストであるスティーヴ・マリオットがハンブル・パイの前に在籍していたバンド「スモール・フェイセズ」のアルバムです。68年発表。若い頃の僕がこのアルバムに手を出したのは、ハンブル・パイにぶっ飛んだ経験があったので、その前身バンドの音楽を聴いてみたかったから。で、スモール・フェイセズの代表作はこれだと雑誌で読んだからです。そんな中、このレコードが丸い缶に入っている特殊ジャケットでCD化されました。紙巻きたばこの葉っぱの缶をモチーフにしていたんでしょうね。しかし…製作者側の熱意に反し、CDやLPをキチンと棚に収めたい僕はこれに当惑、結局買わずにレンタルCDで借りてきて、カセットにダビングして済ませてしまいました(^^;)。。このカセットを出して聴くのはその時以来なので…27~8年ぶりぐらい?いやあ、懐かしいです。。
ジャケットデザインにあらわれているように、アルバムの内容もかなり凝ってます。コンセプト・アルバムというのか、ラジオのDJみたいな人が色々とアナウンスしながらその合間に音楽が挟まったり、木管のアンサンブルが被さったり、1曲目がいきなりインスト・ナンバーだったり。60年代半ばから後半のイギリスのロック・バンドというと、有名なのはビートルズやローリング・ストーンズ。彼らの大ヒットから、その後にロック系のビートバンドが大量にデビューしては消えていく状態。音楽性やサウンドの傾向もけっこう似ている。日本でいえば、古くはチェッカーズとか、最近ではジャニーズでも自分で演奏するグループとかいますよね。ああいうイメージに割と近い状態だったんじゃないかと思うのですが(日本が強く幼児性を感じるのに対し、当時のイギリスの方は不良性が強い感じかな?)、そういうグループが1曲目にインストを持ってきて、アルバム全体が物語のようになっていて、全部オリジナルで…というのは、相当に頑張ったんじゃないかと。そういえば、ビートルズやストーンズも、同時期にコンセプトアルバムを作ってました。ラジオ用のヒットチャートではなく、LP単位で作品を作りたいという流行だったのかも知れません。
で、個人の感想としては…音楽そのものは、すごく茫洋としてしまっていて、楽しめませんでした。カセットにダビングしたままにして放ったらかしにしてあったのも、きっと音楽がつまらなかったんでしょうね。音もまだ「初期ビートルズ」的なスッカスカのサウンドで、ベースはローが抜けてサステインもなくポコポコいっちゃってるし、ギターの音もも全然魅力がない。コンセプト性が強い事が裏目に出て、マリオットの超絶ヴォーカルもあんまり出てきません。ただ…もし英語が出来る人が聴いたら、面白いのかも。何となくですが、ストーリーを中心に作ってある気がするんです。僕は英語が苦手なので、物語の半分も分からないんですが、英語が理解できる人が聴いたら、もしかしてすごく面白いアルバムなのかも知れません。ああ、やっぱり英会話の勉強を再開しよう、そうしよう。。
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