
先週(2023年2月13日)、「
宇宙戦艦ヤマト」や「
銀河鉄道999」で知られる漫画家の松本零士さんがお亡くなりになられたそうです。享年85歳。70年代生まれの僕は、松本零士ブームをまともに受けた世代で、ヤマトも銀鉄もほぼリアルタイムで直撃でした。
はじめて松本零士作品に触れたのは、宇宙戦艦ヤマトの最初のテレビシリーズ。何度もやっていた夕方に再放送を見ていました。今あの作品が何だったのかを語るなら、戦地に赴く軍人の自己犠牲とその悲哀といった所でしょうか。正義のヒーローもロボットも出てこないTVアニメは、まだ幼なかった僕には大人びたアニメに感じられました。おもちゃ屋でヤマトやデスラー艦隊のプラモデルも売ってたなあ。少し後に出たガンプラは300円だったけど、ヤマトのプラモは100円だった記憶がありますが、なにせあやふやな記憶で…。
小学生時代の僕の親友Hが大のヤマトファンで、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』という映画を、一緒に観に行きました。映画館がいっぱいで、通路に座って観たのはいい思い出です。帰りに、Hがわざと電車に乗り遅れてはぐれかけたというエピソードも。彼、別々の電車に乗って途中で合流するという事をやりたかったらしいんですよね。
そんな宇宙戦艦ヤマトですが、僕が一番感動したのは、実は
音楽だったりして…。
少し時を戻して、幼少時に連載が始まったのが『銀河鉄道999』。友人のお兄さんが単行本を持っていたので、読ませてもらいました。宇宙を冒険する大スペクタクルであると同時に、美人のチャンネーと旅をする少年の物語なので弱冠エロくも感じたりして。当時はまだそんなに巻数が出ていなくて、先が知りたくてうずうずしていました。ああいう気持ちって、リアルタイムじゃないと味わえないんでしょうね。。

そんな前評判が絶大に高かった銀河鉄道999が大ブレイクしたのは、アニメ映画化された時でした。この映画については前にも感想を書いたことがありますが、とにかく感動しました。もしかすると僕が初めて映画で感動した作品かもしれません。ラストのキスシーンの素晴らしさは、ボギーとバーグマンの『
カサブランカ』や、
松田優作と薬師丸ひろ子の『
探偵物語』より上かも。そして、このへんからアニメ映画の名作が連発で作られるようになったんですよね。
ヤマトと銀鉄を経験した後で、松本零士さんの漫画は新作旧作問わず、けっこう読みました。おもに古本屋で立ち読み…昔は立ち読みという文化があって、本屋でも古本屋でも、漫画コーナーに子供が群がって、ずっと漫画を読んでたんですよ(^^;)。当時は漫画にビニールもかけられていなかったんですよね。ところが、立ち読みする松本作品はちょっとバツが悪いところがありまして…
ヤマトと銀鉄以外の松本零士さんの漫画は、エロ要素の入ったアダルトな作品が多かったんですよ。メー〇ルがエッチしているようにしか見えない漫画まであって…。なるほど、売れない時期にそういうものを描いていたから、女性をうまく描けるようになっていたのかも。
そんな中、
出色だった漫画は『1000年女王』で、これがコミック作品では松本零士最高傑作だと僕は思っています。アニメ込みだと、やっぱり劇場版『銀河鉄道999』ですね。
ドラえもんやウルトラマンを観ているのが普通の年齢で、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999のようなヤングアダルトな作品を体験させてくれたのだから、松本零士さんには成長させてもらったと思っています。特に劇場版『銀河鉄道999』は、自分の中では永久保存版。笑われてしまうかも知れませんが、もし僕が死んだら、妻と一緒に銀河鉄道に乗って、永遠に宇宙を旅して過ごせたらどれだけ幸せだろうか…なんて事を想像してしまうんですよね。本当に、死んだ後の夢なんです。松本零士さん、ご冥福をお祈りいたします、ありがとう。。
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