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コミック『コブラ』9~12巻 寺沢武一

Cobra_12.jpg 大フェイバリット漫画「コブラ」ですが、9巻からのクオリティの高さは尋常でないです!ここからしばらくは大人が読んでも夢中になる大傑作と信じて疑いません。というわけで、お気に入りの話をセレクトして紹介!

■黒竜王(9巻)
 名作長編SFが多いコブラの中で、あえて僕が最高傑作を選ぶとしたら、「聖なる騎士伝説」とこの「黒竜王」のふたつです。 「黒竜王」はコミック1冊を丸々使った物語で、読んでいる最中は完全に物語の世界に入り込んで夢中になってました。

 宇宙客船で余暇を楽しんでいたコブラですが、船ごと人工の巨大鯨に飲み込まれてしまいます。鯨の中には飲み込まれた人たちは街を作って暮らしていますが、そこは竜の刺青を入れた竜王の一族が支配する世界。竜の一族に連れて行かれる事は死を意味し、また竜の一族は竜王を裏切ると背中の刺青に首を食いちぎられます。この世界から脱出するには竜王が棲むという「竜の道」という地獄を通り抜ける必要がありますが、人間の恐怖を食って生きるという竜王とは…。

 この話のすごさは、「背中の刺青に首を食われる」といった描写などに見られる幻想文学としての秀逸さと、生きた心地がしない緊迫感のふたつ。コブラは無敵のスーパーマンなので、どんなにすごい状況の話を描いても「コブラなら大丈夫だろ」と感じてしまうんですよね。ところが「黒竜王」は、地獄そのものといっていいほどの極限の恐怖世界で、そう思っていられないほどの凄惨な世界観がすごかったです。話は面白いし絵による恐怖表現がすごい、大傑作だと思います。コブラ初心者の方は、ぜひこの話から!

Cobra_9-57.jpg■異次元レース(10~11巻)
 ある自動車メーカーが、様々な異次元に人を誘導する「ウサギ」という機械を作り、異次元世界を走り抜けるレースを開催します。コブラもこのレースに参加しますが、事故が発生して異時限に落ち込んだウサギに連られて、コブラを含めたすべてのレーサーが異次元へと引きずり込まれます。
 コブラたちが行くことになる異次元世界は3つ・というわけで、実質的に3つの話から出来ていました。3つの世界すべてが面白い話なですが、特に面白いと思ったのはひとつ目の日本の戦国時代のムードを持った世界と、最後の雪の魔神が登場する世界。戦国時代の話は、妖しい忍術を使う忍者が暗躍する世界でコブラが活躍するんだから面白くならないわけがないです(^^)。そして、最後の雪の魔神は、子供の頃に読んだ時には「人が凍りついて割れる」様子を描いたその画力に驚きました!また、正体不明の魔神の正体を突き止めるサスペンスも面白かったです。
 これも見事なスペース・アドベンチャー大傑作。コブラのこのあたりが、作者の寺沢さん黄金期だったんじゃないかと。

■黄金の扉(11巻)
 行きがかり上、コブラはある女を助けますが、その女は、コブラのかつての恋人に瓜ふたつ。彼女はガロン星にシバの鍵を届ける任務をおびた科学者で、これがうまく行かないとガロン星が太陽に衝突してしまいます。海賊ギルドに狙われる彼女ですが、実は実際の鍵は彼女自身。最高のプロポーションを持った女性だけが、ガロン星の内部に入る扉を開く事が出来るのでした。しかし、星の中枢部に近づくと引力に押しつぶされ、コブラは地下世界に落下。記憶を失ったコブラは、地下世界の賭けボクシングの大会に出る事になります。
cobra11-141.jpg カポネ時代のシカゴのような舞台がコブラにすごく合ってました(^^)。そしてこの話に登場するヒロインのシークレットは、エロそうな美女が登場しまくるコブラの中でナンバーワンの美人。なぜガロン星が軌道を変えたのか、シバの鍵の秘密などなど、謎解きの展開も面白く、この時期のコブラに駄作なし!そうそう、子供の頃は、「地下世界のカジノでのアングラ・ボクシング」という設定だけでワクワクしてました。コブラって、世界観も魅力的なんですよね。。

■神の瞳(12巻)
 あるセレブ婦人が、ふたつ揃うと強大な力を発揮するという「神の瞳」という指輪のひとつを持っています。それが理由で、もうひとつの指輪を持っているパピヨンに狙われ、コブラもこの争奪戦に巻き込まれます。しかしその過程で使いすぎたサイコガンが壊れ、サイコガンの製作者を尋ねて地球の日本に向かいます。そこで製作者の娘のヨーコと出会って愛し合い、サイコガンを捨てて海賊をやめる決心をするコブラ。しかしヨーコが殺され、コブラはパピヨンを倒す事を心に決めます。
 蝶の形をした目が飛ぶパピヨン、体が風船状に膨らむバルム、虫が集まって人間型に化ける敵…キャラクターの造詣が見事でした。コブラは話がとにかく面白いですが、絵も魅力的なんですよね。もし敵の造詣が普通の人ばかりだったらここまで面白くは感じられなかったと思うのです。寺沢さんの画力は、当時の少年漫画誌ではレベルが相当に高いものと思っていましたが、このあたりに来ると連載初期とは比較にならないほどの画力の高さに達していると感じます。

 絵はむちゃくちゃ奇麗になってるし、話はハリウッドの大作SF映画以上のスケールで、面白くて引きずり込まれます。僕が思うに、コブラの9巻から12巻あたりが寺沢武一さんの最盛期だったんじゃないかと。とか言って、その前もこの後もメチャクチャ面白いんですけどね。40代後半になってから読んでも面白いと思ってしまうマンガって、すごいなあ。。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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