
いつも思うんですが、うちにある特撮ヒーローもののビデオを見るときって、最初は「50話もあるのか」なんて思ったりするんですが、いざ見始めるとあっという間です。なぜだろう…なるほど、1話24分ほどなので、映画1本見るつもりで見ると1回で5~6話ほど見れてしまうんですね。しかも、仕事しながら垂れ流すとあっという間、みたいな(^^)。
新マンの思い出話、最終回です。物心ついたときには、新マンと
ウルトラセブンはすでに記憶にありました。セブンの話は覚えているものもあったんですが(ガッツ星人回での無人の自動車が動く描写など、強烈なものが多かったですから^^)、新マンは話は第1話を除いてほとんど覚えていなくて、覚えているのは怪獣でした。
サドラー、ツインテール、グロンケン…インパクトある造型が多かったんです。
実際に話の内容をきちんと理解したのは幼少期ではなく、小学校に上がってから見た再放送でした。朝6時にウルトラマンや仮面ライダーの再放送をやっていて、それを見るためだけに頑張って早起きしたのはいい思い出です。眠い目をこすって、目覚まし時計をセットして、見終わってからもう一度寝てました。そこまでするほど夢中でした。早起きしてみたのは、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、
仮面ライダー、ウルトラマンタロウ、それぐらいだったかな?でもタロウはあまりに子供だましで、途中で見るのをやめました。これは寝てる方がましだな、みたいな(^^;)。
というわけで、第3クール後半から最終回までの中で、面白かった話をダイジェストで!
■第37~38話:ウルトラマン夕陽に死す/ウルトラの星光る時 (脚本:上原正三/監督:富田義治)
新マンには予算面でも脚本面でも制作に力を入れたように見える話がいくつかありますが、これは新マンの中で最も力を入れたであろう回で、前後編にわたる大作です。宇宙人がウルトラマンを倒し、BGM はセブンの使い回しなので、ウルトラセブン「セブン暗殺計画」の新マン版みたい。ところが「セブン暗殺計画」ほどには面白くなかったりして(^^;)。ついでに、初代ウルトラマンが登場してしまうので、この話で「ウルトラマンが帰ってきた」という設定が根底から崩れてしまいました。いやあ、超人格者の初代ウルトラマンの霊が、人間的に未熟な号に憑依するという設定のままいった方がクールだったと思うなあ。。子供の頃はウルトラマンとウルトラセブンが出てきて特別感があったんですが、大人になってから見ると、この話でウルトラマンのシリーズは幼児番組化してしまったように思えたりして…。
でも
この回、特撮が素晴らしかったです。後半回のウルトラマン戦闘シーンで、
山のこちらにマット隊員、山の向こうで巨大な怪獣とウルトラマン、この構図が「でけえ!」って感じでいいです。やっぱり怪獣特撮は怪獣大きさを表現できてこそですよね!
■第49話:宇宙戦士その名はMAT (脚本:上原正三/監督:富田義治)
最終回まであと少し。この回から、最終回への布石が打たれます。設定が壮大で、子供の頃は胸をときめかせたものでした。
宇宙のかなたで宇宙戦争が起きています。戦争の一方であるミステラー星人は、宇宙戦士に向いた人材を地球から連れ出し、兵士として戦争に使おうとしています。しかしミステラー星人の中には戦争を好まずに地球に亡命したものがいて、地球でひっそりと暮らしています。しかし、彼の娘が人質に取られ、彼は母星の戦闘隊長から、娘を救うためにウルトラマンと戦うように指令されます。
ストーリーだけ聞けば、素晴らしいSF作品に思えますよね?ところが、宇宙戦争というのはセリフで語られるだけで、絵は一切出てこない…そこが寂しかったです。言葉でなく映像で表現できていたらもっと素晴らしいSF作品になったんじゃないかなあ。最終回間際で予算がなかったのかな(^^;)。でも、話はすごく面白かったです。僕的には新マンの名脚本第3位はこれです。
■第51話:ウルトラ5つの誓い (脚本:上原正三/監督:本多猪四郎)
最終回です。宇宙征服をたくらむバット星人が、ウルトラマンの故郷の星と地球に同時に攻撃を仕掛けます。地球のマット基地は破壊され、郷隊員は死を覚悟して最強の宇宙怪獣ゼットンに戦いを挑みます。ゼットンを倒したウルトラマンですが、故郷の星を救うために地球を去る決意をします。そして、次郎少年の前でウルトラマンに変身し…。
タイトルになっている「5つの誓い」がショボかったり、ゼットンの着ぐるみが初代ウルトラマンの時とは比較にならないほど貧弱なのが残念で、子供のころはショボいと思った話でした。ところがいま見ると、壮大な設定が素晴らしいと感じたりして。ミステラー星人回と同じで、宇宙戦争という設定でワクワクですが、それがセリフで語られるだけなのがやはり残念。
新マンの終盤に出てきた「宇宙で大戦争が起きている」という設定は、昭和46年以降しばらくの円谷特撮ヒーロー番組で共有された概念。新マンの後番組となる「ウルトラマンA」や「トリプルファイター」の主題歌に「銀河連邦」なんて言葉が出てきますが、第2次ベビーブームとなる昭和46年から第2次怪獣ブームが始まって特撮ヒーロー番組が量産されたものだから、それぞれの作品の世界観を統一しておいたほうが、つじつまを合わせやすかったんでしょう。ところがこの銀河連邦という設定が活かされたのは、僕の中では新マンの終盤2作品だけだったという(^^;)。
帰ってきたウルトラマンは、僕にとっては幼年期から少年期にかけての思い出の番組のひとつです。ウルトラマン、
ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、
ミラーマン、
仮面ライダー、キカイダー、イナズマン…好きだったなあ。今回、それぞれの話についての感想をいろいろ書きましたが、大人になった今となっては、
それぞれの話なんて実はどうでも良いのかも。物心ついた頃にウルトラマンを見てワクワクしたあの感触とか、小学校に入ってから新マンが大好きで「怪獣コダイゴンがね…」なんて話していた怪獣博士の友人Iと仲が良かった事とか、怪獣消しゴムやソフビ人形で友人と遊んだ事とか、大人になってしまえばそういう思い出のほうが大事なのかも。大人になって新マンを見て懐かしく感じたのは、話自体だけではなく、そういう幼年時代の感触でした。
僕が死ぬ時に思い出すのって、物心ついてから小学校卒業あたりまで記憶の気がします。それがすべてで、ウルトラマンはその期間の思い出の重要な一部分。人生で新マンを全話見ることができるのは、あと1回あるかないかぐらいだと思うと、何とも言えない気分になりますね…。団次郎さん、僕もいずれあなたと同じ世界に行くんですよね。帰ってきたウルトラマン万歳!!
- 関連記事
-
スポンサーサイト
ウルトラ5つの誓いは、加トちゃんみたいで何だかなぁでしたけど(爆笑)