
変な話ですが、オジー・オズボーンというヴォーカリストに関していうと、僕はオジー・オズボーン・バンドよりもブラック・サバスの方がシックリ来てしまう(^^;)。オジー・オズボーンのアルバムを超久しぶりに色々と聞き返して、そう思ってしまいました。その理由が、ひとつ前に書いた記事で判明してしまった気がします。結局、僕が好きな音楽って…演奏で言えば、テクニカルな意味で上手いかどうかというよりも、演奏がちゃんと表現を目指しているかどうかという所、作曲で言えば、それが教科書通りであるかどうかよりも、教科書からどれぐらい離れる事が出来ているかという所を重要視しているんじゃないかと。「下手でも良い」とか「クレイジーなほど良い」と言っているわけではないんですが…。大前提は押さえた上で、そこからどこまで遠く行けるか、こういう話なのかも。でもって、ブラック・サバスのデビュー・アルバムのお話。邦題は『黒い安息日』でした。
まずは音楽うんぬん以前に、アルバムジャケットが素晴らしすぎる。
怖すぎです。その辺のホラー映画のポスターの3倍は怖いです。こんな光景を実際に目にしたら、きっと私はショック死するでしょう。で、僕が音楽に関してさっき熱く語った部分というのは、こういうセンスなんですよね、きっと。。このアルバム発表以降、イギリスを代表するハードロック・バンドのひとつとなったブラック・サバスですが、このデビューアルバムの時点ですでに音楽的なコンセプトははっきりしていたんじゃないかと思います。実際にどうだったかは知りませんが、恐怖映画の音楽とロックを混ぜようとしたら多分こうなるんじゃないかと(^^)。音楽はというと…雨と雷の音、その中で教会の鐘が鳴り、歪ませまくったギターが演奏するのは、悪魔の音程です(^^;)。そして歌が始まると、ドラムはフロアタムだけ、ギターはひたすら悪魔の音程のリフを繰り返す。このリフが切れたところでテンポをあげ、曲はいよいよ聴かせどころに作ったクライマックスの下降進行へ!!これですよ、作曲にしても演奏にしても、オズボーン・グループになくって、初期ブラックサバスにある創造性とは(^^)。演奏レベルなんて、オズボーン・バンドの足元にも呼びませんが、音楽ってそういうもんじゃないとやっぱり思ってしまう。。
このアルバム、ロックの歴史の中でも特異点だったんじゃないかと思います。たぶんこういう音楽って、このアルバム発表時点(1970年)ではスリラー映画ぐらいでしかなかったように思いますし、また曲の構成の仕方も、以降に続くメタル・ミュージックの原点となった気がします(和声進行よりも先に音型から構造を構想する点とか)。で、こういう「味」的な表現に入ると、オジーさんの気持ち悪い声がむしろ素晴らしく思えてしまうという(^^)。あ、そうそう、僕個人は、サバスはオジーさんじゃなくって、作曲から演奏まで全てギタリストのアイオミさんに掛かっているバンドだと思ってます。僕が好きな初期サバスのアルバムの1位は文句なしで
"Black Sabbath vol.4"なんですが、このアルバムはその次に好きかも。。このアルバムの全てがいいなんていう気は毛頭ありませんが、大事なものが色々と詰まっているロック・アルバムの気がします!!
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完全に別ですよね、音作りが
でも1stのジャケットのリアルな怖さは絶品です