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『ワイル Kurt Weill:知られざるクルト・ワイル The unknown Kurt Weill / Teresa Stratas』

Kurt Weill_The unknown Kurt Weill_ TeresaStratas 邦題は『知られざるクルト・ワイル』、ワイルの比較的マイナーな歌曲集です。歌っているのはテレサ・ストラータス、カナダ出身のソプラノです。伴奏はリチャード・ウォイタック(p)。録音は1981年です。

 ワイルは20世紀初頭のドイツ人作曲家で、劇作家のブレヒトと組んで作った芝居やオペラやミュージカル用の曲が有名です。クラシック系の人ですが職業作曲家的な作風で、和声はけっこう保守ですが、けっこう面白い仕掛けを曲に仕込む事があって、僕の中ではなかなかとらえきれないまま今日に至る作曲家です。ユダヤ人だったためにナチ政権時にアメリカに亡命、アメリカではミュージカルなどの音楽を書いて生活して、1950年に亡くなりました。で、音楽なんですが、まさにこのプロフィール通りなのが面白いです。プロ作曲家になるという事は、こういう事なんでしょうね。

 そして、曲です。まず、少し前衛的に感じてカッコよかったのが、ベルリン民謡の「ミートボールの歌」のアレンジ。おお~これは世紀末音楽っぽい退廃さと前衛が良い感じ融合していてカッコよかった! 
 それ以外の曲のザックリした印象は、20世紀初頭から第2次大戦前あたりまでの、西洋のプロ作曲家が作った大衆音楽という感じでした。例えば、フランスのシャンソンとか、マレーネ・デイトリッヒとか(このCDには、実際にワイルがデイトリッヒのために書いた曲が2曲入ってました)、チャップリンの映画の音楽とか、ああいう匂いです。レチタティーヴォが多めなところは、当時の西洋のこういう音楽が舞台を切り離しては考えられない、という事を示してるのかも。実際、マレーネ・デイトリッヒから依頼を受けて書いたという「別れの手紙」は、和声進行とか、メッチャいい!でもデイトリッヒがこの曲を録音しなかったそうなんですよね、なぜだ、こんなに良く出来た曲なのに…。
 他でいいなと思った曲は、「雨ぞ降る」(コクトー詞)、「夜勤シフトの相棒に」(オスカー・ハマースタインJr. 詞)、「あかりを浴びたベルリン」。「あかりを浴びたベルリン」は、ラグタイムとヨーロッパ歌曲のあいのこのような感じでしたが、それもこの時代とプロ作曲の条件にピッタリだなと思いました。
 こういう音楽の匂いを言葉で伝えるのはなかなか難しいですが、詞だと伝わりやすいかも。例えば「ナナの歌」では、「私は17歳で体を売り出し、いやな事ばかり」みたいな。こういう詞って、ロマン派歌曲でも、逆に80年代以降でもあまりないですよね。現代かつベルエポック期から2次大戦あたりまでの大衆歌曲だな、みたいな。

 『三文オペラ』の映画サントラとぜんぜん違う、歌がうまいとそれだけで音楽が素晴らしく感じるんですね(^^)。ついでに、映画サントラはエレキベースが入ってるような、コマ劇場か宝塚かというようなダメダメなサウンドにアンサンブルでしたが、こちらはオリジナルのピアノ伴奏。伴奏って、編成が小さいと色んな楽器の音が飛び出してくる派手さは乏しくなるかもしれないけど、少なければ少ないほど表現力が増すんですよね。これはベル・エポック期から50年代あたりまでの西洋の匂いを感じられる良いレコードでした!おすすめ!

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Re: タイトルなし 
y●●様
いえいえ、大丈夫ですよ。それよりも、動画をご視聴いただき、ありがとうございました!

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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