『サーカス / サーカス・ブティック』

circus_boutique.jpg 1979年発表、日本の男女混声のポピュラー・コーラス・グループ「サーカス」のサード・アルバムです。「Mr.サマータイム」「アメリカン・フィーリング」「ホームタウン急行」など、僕が知っているこのグループのヒット曲は全部このアルバムに入ってます(^^)。

 さて、男2女2のポピュラーコーラスというと、どうしてもABBAを思い浮かべてしまいますが、音楽の方向性は全然違います。イメージとしては、ニューミュージック。そういえば、このレコードはアルファ・レコードという所から発売されてるんですが、アルファと言えば松任谷由美にYMOにサーカス(そういえば、少し前に取り上げたシーナ&ザ・ロケッツもアルファだった気が)という感じで、ニューミュージックのイメージを作ったレコード会社と言えるのかもしれませんね。。
 演奏はやっぱりスタジオミュージシャンたちによる例の日本のレコード産業の大量生産サウンドなんですが、しかしアレンジや作曲面での工夫が素晴らしい。これ、かなり頑張って色んなチャレンジをしたんじゃないかなあ。シャンソン調の曲あり、ブラジルサンバ調の曲あり、オールドジャズ調の曲、さわやかフュージョン風のサウンド…と、バラエティに富んでいて、アレンジもやっつけ仕事ではなく、すごく頑張ってます。聴いていてすごく楽しい(^^)!!特に、3曲目の「デイ・ドリーミング」なんて、ボッサとジャズフュージョンをAORに仕上げた感じの、まさにニューミュージックが追った方向性が全部いい方向に出たような素晴らしい曲!!これは本当にスバラシイと思いました(^^)。。

 ハードでダークなものが大好きだった若い頃は全然感じなかったんですが…詩とか曲想とか、すごく爽やかで幸福感に向かってる感じ。これが聴いていて、すごく心地よかった。詩の世界も、今のポピュラーみたいな子供向けの歌詞オンパレードではなくって、すごく大人。20代以上の大人が楽しめる感じ、40以上の人でも「ああ、こういう時期が自分にもあったなあ」と、懐かしく聴ける気がします。50代ならリアルタイム世代だからもっと楽しめるかも。例えば、特捜最前線のエンディング曲になった「ホームタウン急行」の歌詞は、都会に出た女性が田舎に帰って結婚するみたいな筋なんですが…

都会で覚えた悲しみたちを忘れて 私、生まれ変わるの…

 すごく明るく、でもちょっとだけずれていく感じのクリシェ(和音の中のある音だけを少しずつずらしていく方法)の切ない感じの音に合わせてこんな言葉が歌われます。いやあ、子供の頃はぜんぜん分からなかったけど、昔都会に出て苦労した僕にはちょっと来てしまった。。

 単に爽やかなだけでなく、色んな経験をしていっている最中の20~30代の女性が、いい事も悪い事も経験しながら、それらを全部ひっくるめて前向きに進んでいく感じの世界観。いや~、鬱屈した日本の70年代が、きらびやかな80年代に突入していく時の雰囲気にすごく合っていたのではないでしょうか。整理して売っちゃうつもりで、最後に一回だけ聴こうと思っただけだったのに、こんなに素晴らしいとは思わなかった。。もう、4回もリピートして聴いてます。ニューミュージックの大名盤、子供が聞いたら「さわやかなだけじゃん」と理解できないかも知れませんが、大人ならこの世界が理解できるはず。20代以上の人に超おススメ!!


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うんうん、わかります。今のJPOPには無い「何か」がこの辺のニューミュージックにはありますね。

Re: タイトルなし

わんわんわん様、コメント有難うございます!

いや~、ずっと手放さずに持っていた1枚なので、若い頃もいいレコードだと思ってはいたと思うんですが、40を過ぎてから聴いたらこんなに良いと感じてしまうとは(^^)。若干古くさいと感じた所もありましたが、素晴らしい1枚だと思います!!

Bach Bachさん、こんばんは。
サーカス、小学生の頃に聞こえていたヒット曲しか知らないし興味を持ったこともなかったですが、この記事を読んで聴いてみたくなりました。
若い頃はなじまなかった音、理解できなかった歌の意味がわかるようなこと、増えてきました。。。

Re: タイトルなし

 goldenblue様、書き込みありがとうござます!

 いや~、僕も子供の頃に聴いた時は、ちょっとダサいと思ってたんですよ。「私はコバルトの風~」とかが、ダサく感じた原因でした(^^;)。そのあたりは今もダサいと感じるんですが(笑)、でも他のところが本当に素晴らしいです。詩の世界は大人だし、歌は「あれ、こんなにうまかったのか」というぐらいにうまいし(子供の時はうまいかどうかも判断できなかった- -*)、曲もアレンジもすごく丁寧に作られてるし、なにより変にドロドロさせないで、大変な事があったりしてもそれを過去の事として前向きに進んでいく…みたいな所が、「あれ、苦しいと叫んでいるより、前向きにいる方がむしろ大人なんじゃないか」と思わされてしまったりしました。
 サーカス、大人になって聴いたら良かったです(^^)。。
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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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