『浅川マキ / ONE』

AsagawaMaki_one.jpg 近藤等則さんともあろう人を悪く言ってばかりというのも何なので、ちょっと聴きなおしてみたいな…と思ってゴソゴソやったんですが、近藤さんのリーダーアルバムが全然残ってない(T_T)。きっと売ったんだな…。でも、近藤さんでいいと思った演奏があったな、たしか…あったあった、浅川マキさんの「ONE」というアルバムです!僕がこのアルバムを知ったのは、2曲目「あの男がピアノを弾いた」が、亡くなったサックス奏者・阿部薫さんに捧げられたいう話を聞いたからでした。そして買う決心をしたのは、メンバーが素晴らしいから。

 浅川マキさんというのは、アングラな、まるで演劇系かというようなヴォーカリストで、ジャズ系のミュージシャンをこよなく愛していて、ジャズマンをバックにしたCDをたくさん作っています。しかし本人のヴォーカルは全然ジャズじゃない(^^)。ついでに歌も、どちらかというと下手。でもすごく味があって、この味をどう感じるかで評価が真っ二つに分かれる気がします。僕はというと…歌は好きじゃないんだけど、やろうとしている事とか、詩の内容とかはすごく分かる気がして、すごく惜しい感じがする人です(^^;)。アングラ文化の抱えていた色んなものを背負っているとか、そういう音楽以外の部分も含めてのアーティストなんでしょうね。

 そしてこのCDも、メンバーのチョイスの時点で、浅川さんの素晴らしいセンスが爆発!山下洋輔さん(ピアノ)、川端民生さん(ウッドベース)、近藤等則さん(トランペット)のトリオです。で、このドラムレスのトリオのジャジーなプレイが素晴らしい。1曲目「午後」なんて、まさにシャンソンか舞台用の歌のような構成的な曲なんですが、ここでの山下さんのピアノも、近藤さんのミュート・トランペットも絶品!!山下さんって、武田和命さんのレコードでもメインストリームなジャズ・バラッドを演奏していましたが、この人、実はフリーよりもバラード系のジャズの方が上手なんじゃないかと思います。近藤さんの演奏は…僕的には、今まで聴いたレコードの中で、このレコードでのソロ演奏が近藤等則さんのベストパフォーマンスと思っています。スピード感が素晴らしい!!

 しかし、5曲目だけ編成が変わって、山内テツさんのギター(山内さんって、ロックバンドの「フリー」に参加していたエレキベースの人と同一人物?)のエレキギターと、近藤さんのトランペット。この両者がフリーに演奏する中で、浅川さんが歌詞を朗々と歌い上げるんですが、なんというかなあ、楽器のふたりの演奏が酷い(>_<)。フリージャズ大好き人間の僕ですが、フリーなら何でもいいというわけではないんですよねえ。やっぱり近藤さんって、フリーが下手な人なんだと思う。

 70年代の日本のアングラな舞台や音楽が持っていた空気感が、凄く良く出た作品だと思います。上手いかどうかとかではなくって、この世界観に浸れるかどうか、そういう作品なんじゃないかと。これに浸れるなら、そうとういい感じのアルバムじゃないかと思います!僕はアタマ3曲だけリピートの口です(^^)。


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この人は個人的に「夜が明けたら」一択です。あの情念あふれる歌い方は唯一無二です。

夜が明けたら

わんわんわん様、書き込み有難うございます!

寺山修二ディレクションの『浅川マキの世界』ですね!あれ、僕も大好きです。「夜が明けたら」は、若い頃に伴奏の仕事で演奏した事もあります。しかし渋谷毅さんのあのいぶし銀の感じは出せませんでした(T_T)。

しかし、どうもあのアルバムの前にもう1枚レコードが出てるらしくって、それがメチャクチャいいらしいのです。私は聴いていないし、そのアルバムの存在も最近知人に教えて貰ったばかりなのですが(^^;)。
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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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