
ソフトマシーン4作目、ここに至ってポップス要素は完全になくなってしまいました(^^)。完全インスト、しかしこれがカッコいい!カッコよすぎる!いや~、よくぞジャズ/フュージョン路線に走ってくれたものと感謝します。。
まず、何が素晴らしいかというと、曲とそのアレンジ。基本的にアドリブプレイを重視したジャズ的な音楽なので、主として和声進行、主題となるメロディと反復される音型、そして楽曲の展開、そしてアンサンブルはブラス隊が受け持つ…まあこんな感じで音楽が出来てるんですが、そのバランスが死ぬほどいいです!!もうなんといってよいやら分かりませんが、カッコいい。ジャズとの違いは、ジャズ的なオルタードラインを使わない事で、これがロック的な直進的な印象を与えている気がします。僕としては、これが音楽的な強さになっている気がします。また、雰囲気系フュージョンとの違いは、ロック的なリフが曲を構成する大事な要素として使われていること。これも、アドリブになったらあとはどの曲も似てきてしまうというフュージョン的なジレンマからうまく逃げることが出来ている重要なポイントになっている気がします。やっぱり、爆走するソロアドリブとアレンジのかみ合わせが絶妙なんでしょうね(^^)。
もうひとつ素晴らしい所は、ベタですが、電子オルガンのサウンドが気持ちいい!これってけっこうソフトマシーンの音楽のカラーを決めている気がするんです。これがあるからジャズにならないし、かろうじてロックに踏みとどまっているという気もします。
というわけでべた褒め状態なわけですが、しかし100点ではない感じ。どの辺がマイナスかというと…まず、プレイがちょっとバタバタしてこなれていない感じです。フロントマンとしてサックスをバリバリ吹いているエルトン・ディーン。この人のもっと凄い演奏を聴いたことがあるもので、「スタジオ録音で妙に丁寧だな」という感じ。バンドも加速し切れていない感じです。とはいっても、十分カッコいいんですけどね。このバンドのライブを知っていると、「ああ、もう少しライブの疾走感があれば…」という感じてしまった。次に、録音の音の魅力がない(T_T)。これは本当に残念で、キースティペットのムージシャンの"BIRDMAN"とか、この後の5枚目ぐらい良い音に録音できてたら、大名盤になっていた可能性も。あとは、フリージャズ的なプレイをや曲があるんですが、これが死ぬほどつまらない。フリーって、フリーの上手い人がやらないと、本当にただグチャグチャなだけになっちゃうんですね。あ、そうそう、この4thはよく「フリージャズ路線」なんて紹介されてますが、そんなのは3曲目のほんの数分間ぐらいのもので、残りのすべては
律儀すぎるぐらいにものすごくきっちりしているジャズ・フュージョンです。評論家やレコード会社のディレクターは本当にいい加減なことを平然と書くから、信じちゃダメです。
というわけで、すごくいいアルバム、大好きではあるんですが、音さえもうちょっと色気あるものだったら…。ジャズ路線のソフトマシーンに手を出すなら、サードと5thを先に聴いて、それが気に入ったら次はこれ、という感じでしょうか。あ、そうそうこの時期のソフトマシーンはブートで出ているライブCDですごすぎる演奏を聴くことが出来まして、そのあたりもいつか書いてみたいと思います(^^)。
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