
年末が近づいてきたので、今年買ったCDの紹介をいくつか。これは
あまりの素晴らしさにぶっ飛んだ1枚。実は、数か月前にタンゴのCDをいくつか紹介した時には既に聴いていて、しかもこのCDを紹介したいものだからタンゴのCDをたくさん取り上げたというのに、あまりにすごすぎて言葉にならず、記事に出来なかったのです(^^;ゞイヤァ。
タンゴ系のヴァイオリニスト喜多直毅さんのカルテットによる、ライブ盤です。本国タンゴを凌駕するほどのものすごさ。とはいえ、タンゴはあくまでベースにあるだけという感じで、僕の想像力ではまったく思いつきすらできないような音、よくぞこんな音楽を作り上げてくれました。
大名作ではないでしょうか!2014年発表。
喜多さんは音大卒のヴァイオリニストで(プロのヴァイオリニストは大体そうか^^;)、技術は申し分なし。しかし音大卒でクラシック以外の活動をしているヴァイオリニストって、アーティストタイプでない人がけっこう目にとまるというか、「ただの演奏屋でアーティストではない」みたいな人も結構いますよね。売れた人の中ではジャズヴァイオリンの寺○○子さんとか、ライトクラシックのグループにいた中○○博さんとか。結局、ある程度色々できるけど、「音楽とはこれだ!!」みたいなものがないんでしょうね。音楽が強くない。僕の音大時代の同級生も、そういう人は少なくなかったです。しかし喜多さんはそういう人たちとは一線を画す、紛う事なきアーティスト(たぶん^^;)。よくぞこれほどの力作を作り上げたものだと思います!しかもこれ、ライブ音源みたい、すげえええええ。。
編成はヴィオリン、バンドネオン、ピアノ、コントラバスのカルテット。曲は、タンゴのリズムや技法を援用したオリジナル。曲を切ることなく流れるように演奏していきます。即興もかなり入っていると思うんですが、バンドのまとまりが凄くて、ある程度の決められたモチーフの中で自在に音楽を躍動させます。いや~、喜多さんだけじゃなくって、メンバー全員凄い!!ヴァイオリンの強烈なポルタメントから、タンゴ的な強い4拍子に一気になだれ込んで、全員が一斉にアンサンブルする瞬間には鳥肌が立っちゃいました。
モダンタンゴどころか、その先を行ったような音楽と言えるんじゃないかと。いや~、即興色の強い音楽でバンドがこれだけまとまっている日本のグループは久々。唯一残念なのは、録音がイマイチ。さすがにオーディエンスマイクではないと思いますが、ステレオマイクだけで収録したんじゃないかと。だから、ピアノやバンドネオンが凄い事やってそうな所がよく聞こえない(;_;)。。とはいえ、こんなのは1000点満点の音楽の前では大した問題ではないですね。
こんなにすごい音楽に出会えるとは、生きていてよかった。超おススメ、僕は一生手放さないと思います!!
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