『喜多直毅 / HYPER TANGO 2』

KitaNaokiTango2.jpg 喜多さんの作品をもうひとつ。タイトルがちょっとダサいですが(^^;)、内容はすばらしいっす!でもCDをききおわるとこのタイトルもちょっとうなずけるというか、タンゴを演奏しながらもタンゴの先にいるというか外にいるというか、そんな感じです。喜多さんというヴァイオリニストがアーティスト性を持つようになるきっかけはタンゴからだったんだろうな…と思わされた1枚でした。ソロやデュオやアンサンブルにと、バラエティに富んだ作品です。

 ピアソラを中心にモサリーニなどなどのモダンタンゴを扱ってますが、曲のアレンジが素晴らしい!面白い!この点はとにかく強調しておきたいです。素晴らしいです。特にモサリーニの"ALLER ET RETOUR Ⅱ"という曲のアレンジはちょっと凄かった(しかしこれはオリジナルのままなのかも^^;)。絵画でいうと、実によくデッサンの出来た作品という感じ、かな?値段に見合うだけの好作と思います。
 しかし、ちょっとプレイが堅い。これはスタジオ録音ゆえかもしれませんし、共演者ゆえかもしれません。僕はスタジオ録音の経験がそれほどないのですが(自宅録音は趣味でいっぱいやってますが^^)先輩にきいたことがあるのは、「録音スタジオでヘッドフォンをして演奏していると音の細かい所がきこえすぎちゃって、やればやるほど演奏が丁寧になっていっちゃう」んだそうです。う~ん、当てはまっているかどうかは分かりませんが、どうもそんな演奏の気もします。あと、共演者も、ピアノ(のひとり)もギターもチェロもクラシック系というか、なんかここで取り上げた曲が持っているようなタンゴ的なグルーヴからちょっと遠い感じがしちゃいます。チェロなんて、どう聴いたってうまいんですが、クラシックのレガート気味の演奏から抜けきらない感じなんですよね。それはピアノもギターも同様で、アーティストじゃなくって職業ミュージシャンの音、という感じ。そつないけど、面白みもない感じ。ただし、アドリブからオブリビオンへとなだれ込む黒田京子さんとのデュオだけは、アーティスト同士のプレイという雰囲気たっぷりで、これはよかった(でもあっという間に終わった^^;)。。

 良い作品だと思うんですが、なにか一歩足りない感じ。デッサンはいいけど音がまだ躍動してない…みたいな。きっちりした清潔感のあるインストが好きな人には間違いなくおススメ、しかし躍動する音楽のエモーションが好きな人には少し物足りない…かな?アーティスト喜多直毅の習作期の佳作、みたいな位置づけかも。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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