
フュージョン系ジャズ・ギタリストとしてデビュー(だと思います、たぶん…)した宮野弘紀さんのアコースティック・ギター独奏アルバム。独奏とはいえ、オーバーダビングしてますが(^^)。
聴いた印象は非常に静かなアルバムですが、よく聞くと凄い事やってます。めっちゃくちゃ良いアルバムです!!
僕は宮野さんが大ブレイクしたフュージョン/ニューエイジ時代というのをよく知りません。僕が知ったころには、ジャズもアコースティック・クラブももう終わっていて、ボッサやフラメンコとか、世界中のアコースティック・ギターの音楽を吸収して自分独自の音楽を作り上げていったと思われる時期から。単旋律でものすごいソロを取る時はジャズのにおいを少し感じますが、しかしそれ以外ではブラジル音楽系のギタリストかと思っていたぐらいです(^^)。そしてこのアルバム、静かなんですが、しかし多分凄い事やってるんだろうな、という所が随所にあり(ギタリストじゃないから実はよく分かりません^^;)!!音楽性も大好きですが、特にソロアドリブのギターが凄い。これはマジで感動もの、これを聴いてしまったらロックのスーパーギタリストなんて子供に思えてしまいます(^^)。その凄い技術というのが、テクニックだけじゃなくって、音楽的な必要があってそういう演奏に行きついたんじゃないかと思えるところもスバラシイ。いや~、これぞギター音楽、ほんとに素晴らしいギタリストです!!!
ちょっと残念なのは、オーバーダビングしている事。クラシックギタリストじゃないから旋律と伴奏の同時演奏は難しいのかもしれませんし、またそうしないからこそ出来るソロ・アドリブなのでしょうが、それでもオーバーダビングに逃げないでほしかった。前の記事の國松竜次さんや近藤秀秋さんみたいに、ダビングなしの本当の独奏でガンバってほしかったなあ。僕の感覚では、こういうアコースティックな音楽って、実際に人が演奏していると思えるからこそ感情移入できる、というところがあります。しかしオーバーダビングでは、「うおお、すげえ」という部分が半減しちゃう分、なんか冷めちゃうんですよね。たとえが悪いかもしれませんが、仮にリストのピアノ曲があったとして、右手と左手を別々に録音していたとしたら…そんなのに近い感覚かも。これをやるんだったら、バッキングはほかの人に演奏してもらって、宮野さんはソロだけ取るという方が良かった…な~んて思ってしまうのは私だけでしょうか。でも、これは、ないものねだり。
落ち着いた大人の音楽と、見事すぎるギター演奏。素晴らしいっす(^^)。おススメ!!
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1980年のマンハッタンスカイラインと1982年のフルセイル、
つまり彼の1stと2ndは擦り切れる位聞きました。(特に1st)
まさにその時代のど真ん中で。
アールクルーより少しだけとがった宮野弘紀さんのアコギは大好きでした。
ギターテクも凄いけど、何より彼の作曲が好みです。
Bach Bachの記事を読んで公式HPを見たら、16枚もアルバムを出しているのですね。
自分の中では時間が止まっていました。
14枚のアルバム、少しづつ聞いてみようかな。
思い出させて頂いて、ありがとうございました。