映画『悪魔の手毬歌』

AkumanoTemariuta.jpg こちらは、僕が金田一映画の中でもっとも素晴らしいと思った作品。数ある金田一ものの映画やテレビの中でも、この石坂金田一の『悪魔の手毬歌』はとび抜けて良いです(^^)。『病院坂の首くくりの家』、も素晴らしかったですが、ちょっとこの作品の素晴らしさには太刀打ちできない感じ。他の作品は、この2作品にははるか及ばない感じでしょうか。

 子供のころ、こんなに身の毛のよだつ映画チラシもありませんでした。僕はこの映画のチラシと「お菊人形」のふたつで、日本人形が苦手になりました(゚ω゚*)。のちに、稲川淳二の「生き人形」の怪談で更にアウト。日本人形、怖すぎです。。まあそれはさておき、物語は村に伝わる手毬歌になぞらえて次々に起こる奇怪な猟奇殺人を軸に展開します。たとえば、「秤屋器量よし爪長娘 大判小判を秤に掛けて」という歌詞に沿って、秤屋の娘が大判小判をつけられて殺されます。ところがこれが古い手毬歌なので、知っている人が少ない。手毬歌の歌詞さえわかれば次の殺人を防げるかもしれないのに、それが分からない。

 そんなわけで、僕がこの映画を見たのは大人になってから。子供の頃の恐怖とは全然違って、感動のあまり泣いてしまいました。この映画も『病院坂の首くくりの家』と同じように、推理ものというだけでなく、物語の人間劇が素晴らしかったんです。以下、すこしだけネタバレなので、知りたくない人は◆印のところまで読み飛ばしてください(^^)。


 犯人の殺人の動機には、あまりにも悲しい過去の出来事が。犯人はその原因になった人を憎みたいと思っているのに、愛してしまって忘れられません。金田一に謎解きをされるその時になって胸のうちを語りますが、これがあまりに悲しすぎて僕は泣いてしまいました。ところが、本当の悲しみはここから。物語は犯人が分かっだけでは終わらず、まるで魂の抜けたようになった犯人は、入水自殺をするのですが、そのシーンが悲しすぎてもう…。そして、恋人と妹のふたりを殺した犯人を掴まえたいと望んでいた青年が犯人の水死体の顔を見るとそれは…。そして、その死体の顔がこの世のものとは思えない美しさ。ここで流れる音楽とともに、素晴らしいシーンでした。

◆◆◆◆◆
 この映画、人間ドラマ部分が素晴らしすぎて、僕は今までに何回観たか分かりません。10回ではきかないと思います。また、タイトルになった手毬歌の歌詞が実に意味深で、原作本まで読んでしまいました(^^)。そこまでしても良いぐらいに深みのある話です。いや~、原作は映画とはまた違った情緒があってよかった!!俳優では若山富三郎と岸恵子の演技が秀逸!そして市川崑監督の演出が見事、この映画に記録された昔の日本の田舎の風景も実に情緒あふれる感じでよかった!!推理映画とあなどるなかれ、人間ドラマとしての日本映画の大傑作のひとつ、おススメです!!



 
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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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