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Category: CD・レコード > ロック・ポップス   Tags: ---

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『Roberta Flack & Donny Hathaway』

RobertaFlackDonnyHathaway.jpg 前回に書いた"LIVE!"がダニー・ハサウェイどころかソウルの大名盤である事は異論のない所だと思いますが、個人的に一番よく聴くダニー・ハサウェイのアルバムはこれ、ロバータ・フラックと作ったアルバムです。

 ブラック/ソウル系のアルバムはなかなか大量生産気質な所がありまして、金太郎アメ的、月並みなアレンジのオンパレード、演奏が雑、サウンドがスッカスカ…「すごくいい音楽なのに、安上がりに済ませようというビジネスライクな考えばかりするものだから残念なことになってしまった」という面がソウルにはあると感じますが、しかし70年代の一時期はすばらしい。マーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダー、ダニー・ハサウェイといったミュージシャンが、大変に素晴らしい音楽を作り出します。中でも一番すごいと思うのがダニー・ハサウェイさんで、歌はうまいし演奏も見事、アレンジ抜群、そしてなにより素晴らしいのが、安かろう悪かろうの大量生産は絶対にせず、ひとつひとつの曲を非常に丁寧に完成させるところ!アルバムも曲の羅列ではなく、ひとつの作品として完成させます。このアルバムはカバーを中心に作り上げた企画ものアルバムという側面がありますが、ところがどっこいよく練られています。一曲目がいきなりスローマイナー、最後はピアノとエレピのデュオによるインストで静かに幕を閉じる…いや~、こんなアーティスティックなソウルアルバムもなかなかないんじゃないかと。

 このアルバム、全曲アレンジのポイントを解説したいぐらいに、見事なアレンジのオンパレードですが、中でも死ぬまでにお願いだから一度は聴いてほしいと思う曲が、"For All We Know"。ほとんどピアノ伴奏のみ(最後にヒューバート・ロウズのフルートとストリングスが少しだけ入る)で、ダニー・ハサウェイが歌い上げるのですが、ロバータ・フラックの極限まで音数を減らしたピアノのアレンジも、ハサウェイのヴォーカルのフェイクラインも、信じられない完成度。そしてあのダニーさんの素晴らしすぎる歌ときたら、文句のつけどころがありません。アレンジって、楽器間のアンサンブルだけじゃないんですよね。で、最初にこの演奏を聴いたとき、僕は鳥肌立ちまくり、涙まで出てきちゃいました。
 もうひとつ、このアルバムの背後には、AOR的なカラーを感じます。フュージョンの苦手な僕ですが(^^;)、しかしポピュラー音楽に進出した時のフュージョンは素晴らしくなる時があります。フュージョン系のミュージシャンが進出する前のアメリカのチャート音楽と、それ以降の音楽を聴き比べると…9度以上の和声、様々な和声進行への探求、リハーモニゼーションのレベルなど、大人と子供ほどの差を感じます。テクニックのための音楽に陥りがちなフュージョンがソウルという音楽と結びつくと、互いの弱点を補ってとんでもなく良い音楽になった。ニュー・ソウルには、こういう側面もあったんじゃないかと。
 そして、アルバム最後のしっとりした"MOOD"の素晴らしい曲を聴きながら、ため息をつきながら感動している僕なのでした(^^)。超おススメ!!


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Comments
 
「For All We Know」すばらしいですね。ブワーっときそうで来ない深遠な管弦楽アレンジがこれまた最高。バーバーの「弦楽のためのアダージョ」に通ずる世界があると思います。
本アルバムでは「For All We Know」と「Where Is Love」、「You'ev Gotta Friend」などソウルの鉄板名曲が勢ぞろいですね。学生時代にかなり聴きこんだこともあり、どれも脳内再生余裕ですが久しぶりに引っ張り出して聞いてみようかと思います。
この季節巷では「This Christmas」がヘビロテですね。
おおお!!! 
わんわんわん様、かきこみありがとうございます。

おおお、感動を共有できる人がこんな身近に!!あの弦アレンジ、ヴォーカルアレンジ、いずれも素晴らしすぎです。他にも名曲ぞろいですよね。僕はアルバム最後のインストも大好きです。ぜひ、久々に引っ張り出して聴いて下さい。僕も、スコアまでまぶたの裏に思い浮かべることが出来るほどにこのアルバムを好きだったはずなのに、聴いてみたら実際に鳴り響く音の感動は段違いでした(^^)。

 
BACH BACHさん、こんばんは。
〉テクニックのための音楽に陥りがちなフュージョンがソウルという音楽と結びつくと、互いの弱点を補ってとんでもなく良い音楽になった。ニュー・ソウルには、こういう側面もあったんじゃないかと。

まさにそうですよね。
歌はいいのに安っぽいアレンジが台無しのブラコンと、曲の表現そっちのけでテクに走るフュージョン勢と。
ニューソウルは、SSWのメッセージ性も含めて、高いレベルでのハイブリッドだと思いますー。
Re: タイトルなし 
goldenblue さま、書きこみありがとうございます!

こういう素晴らしいアルバムを聴いていると、そんなふうに思ってしまいますよね。"for all we know" でのヒューバート・ロウズ、技術的にはそんなに凄い事をやっているわけではないと思うんですが、表現としては絶品です。詞の内容や、ストリングスアレンジとのマッチングが素晴らしくて、感動です(^^)。。

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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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