とはいえ、スタンダードですら一筋縄ではいかない演奏で、もうこのあたりの感覚が、プロミュージシャンではなくアーティストなんでしょうね。ジャズ・スタンダードの"You don't know what love is" ですが、過激というのとは違くって…いや~、言葉が見つかりませんが、なんともアーティスティックな表現です。戻って1曲目はブルース。演奏的にはジャズブルースではなく、なんとフォークブルース。ジャズギターの大御所がよもやこういうスイング的なものをやるとは意外。しかし…うまい。3曲目はオリジナルのモードですが、本当にワンノートのモードなので、今の耳で聴くとちょっとロック的かな?そして最後はアルバムタイトルになっているフリーフォーム組曲。さすがにこれが一番良いなあ。音楽が時間で区切られているようで(タイムコンダクターというクレジットがある!)、それぞれの時間に沿って奏法やらなにやらが色々と指示してあるみたいです。う~んなるほど、崩れてしまうとばらばらになってしまいそうなフリーをこうやってまとめるのか。しかし聴いていて一番感じるのは、時間うんぬんよりも、ミュージシャンの演奏の素晴しさ。冒頭は森剣治さんのフルートと高柳さんのクラシックギターから始まり、そこのパーカッションの金物が被さっていくのですが、これは素晴らしい演奏だぞ。この3者以外は演奏に入ってこないので、演奏者の指定もあったのかも。ただ、第1楽章は、ひと盛り上がりして、もう次に進んでも良さそうな感じなのに、そこで時間待ちしているような感じもあって、タイムコンダクションというのは良し悪しだな…とも思っちゃいました(^^;)。