
スーパーマンと同時期の映画音楽には、好きなものがいくつかあります。ロッキーの音楽もそのひとつ。作曲家は、ビル・コンティという人。子供の頃は、あのテーマソングがやたらと好きでした。そして、テーマソング以上に好きだったのが、映画の終盤に流れていた音楽。チャンピオンの強烈な一撃を食らい、もう逆転は不可能そうなボクシングの終盤戦。もう眼も開けられない状態で、膝にも来ていて、身の危険を案じたトレーナーに「そのまま立つな」と言われて…それでも必死に立ち上がろうとするボクサーの後ろで流れていた音楽です。あのシーン、もし音楽がなかったらあそこまで感動的なシーンになったでしょうか。音楽の力ってすごいと思います。
小学校3年生の頃、学校の音楽の授業で、長調と短調について習ったことがありました。その説明は「長調は明るい感じ、短調は暗く悲しい感じ」というもの。そんなの説明になってないと思いました。だって、明るいと感じるかどうかは、個人差があるだろうし、説明してほしいのはそんな事じゃなくて、なぜ音の重ね方が変わると悲しい感じになるのかという事だろ、って。明るいとか暗いとかいうだけだったら、それは感想であって、それなら俺にも言えるんだよ、って思ってたんです。
ロッキーの映画を見ていた時に、音楽のこういう不思議を強烈に感じさせられました。あの音楽が流れてきて、本当に涙が流れそうになってしまったのです(男の子だったので堪えましたが)。そのぐらいに、グッとくる音楽だったんですね。でも、今思うと、あのシーンから音楽を差し引くと弱いのと同様に、この音楽からあのシーンを差し引くとちょっと弱くなるかもしれませんね(^^;)。
ロッキーには、他にも好きな音楽がたくさんあります。映画の舞台はフィラデルフィアです。つまり、アメリカの大都市でもないし、かといって農村地帯でも、あるいは山岳地帯でもない。ちょっと寂れた田舎町という感じです。家も集合住宅で、主人公はそこにうらぶれて住んでいる。夢も半ば折れかけている。この街角で、夜中に人々が集まってソウルフルなコーラスをして歌ってたりします。これが、なんか本当にそういう音楽文化があるように思えて、異国情緒を感じさせるというか、グッと来てしまいました。日本ではありえない光景ですから。
さらに好きな音楽が。エレキ・ピアノという楽器があります。これはシンセサイザーではなく、エレキギターのように、実際に弾かれた弦の振動をピックアップで拾うという楽器。フェンダー社のローズなんていう楽器が有名です。で、このエレピという楽器、音がもの凄くあたたかくて、いい音のする楽器なんです。エレピの音が嫌いという人なんて、まずいないんじゃなかろうかというぐらいにいい音。で、このエレピを使った「反射神経」という曲がロッキーの中にあるんですが、これが良いのです。基本的にはメインテーマのヴァリエーションなんですが、ちょっと切なくて、しかしややファンキーで。これも、子供の頃はずうっと聴いてました。
ロッキーの音楽は、落ち込んだときとか、「元気出さなきゃ!」という時に、今もよく聞きます。元気が出るんです!で、ロッキーの音楽でも足りないぐらいに打ちのめされているときは… それはまた次回に書きます!
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