あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますm(_ _)m!!というわけで、レベッカを聴いていたら、中学生の頃に聴いていた音楽を聴きたくなっちゃいました、なんかないかな(ゴソゴソ)…お、こんなの出てきた、ブルース・スプリングスティーン『明日なき暴走』です(^^)/。懐かしいなあ、中1のころ、メタルに並んでクラスで流行してたんですよね~、スプリングスティーン。
とはいえ、中1ぐらいの僕はロックはハードロック系が好き。普通のロックはよく分かりませんでした。スプリングスティーンさんの顔もあんまりカッコいいとは思わなかった。で、わりと仲の良かったスプリングスティーン好きのH君が「最初に聴くならこれがいいよ」と貸してくれたのが、このアルバム。
しかし、やっぱり自分の趣味嗜好というのはそう変わらないもんで、最初のうちは、やっぱりただの8ビート曲は刺激が少なくってつまらなかった(^^;)。でも、仲の良い友達の推薦だし、良さが分からないのは僕の感性の問題かも…な~んて、スプリングスティーンさんのアルバムをけっこうたくさん、しかも何度も聴いたんです。すると…ロックっぽいアルバムでは確かにこれが一番面白んじゃないかと思い始めました。で、次第に「曲が3番までとかそういうんじゃなくって(中1の頃はコーラスなんて気の利いた言葉は知らず(^^;)、けっこうダイナミックに動くんだな」なんて思いはじめたりして、気が付いたら結構好きに(^^)。自分の価値観にピッタリなものもいいけど、自分の知らなかった価値観を知る瞬間もいいものなんですよね(^^)。で、劇的な感じの曲では、1曲目の「サンダーロード」と最後の「ジャングルランド」がスバラシイ。「サンダーロード」は、ブルースハープとピアノのイントロが、アメリカのさびれた田舎町みたいなムードでなかなかいい感じ。そこからロックに盛り上がっていきます。アメリカン・ロックの良さですね。
さらに聴いているうちに、アメリカン・ロックの代名詞みたいな人なのに、
この人の静かな曲ばかりに魅かれるようになっちゃいました。 「ミーティング・アクロス・ザ・リバー 」。ピアノとサックスだけの伴奏で、レイドバックした、静かでしかし透き通るようなもの悲しさ、美しさ。橋の下でサックスの練習をしている黒人の人とか、そういうアメリカの労働者階級みたいな情景がブワッと見えちゃった。名アレンジ、この音の世界観にやられました。数年前まで日本の歌謡曲とかテレビ主題歌ばかり聴いていた小僧にとっては、大人の世界に感じましたね~。
そして今度は歌詞カードを読み始め(中1で英語のリスニングは無理だった^^;)、これにしびれてしまいました。…いやあ、
スプリングスティーンって、実は歌詞が凄いんじゃないかい? 「裏通り」の歌詞なんて、日本の歌謡曲や演歌ではとても聴くことの出来なかった、まるで文学詩みたいに感じて、グッと来てしまいました。最後の"Hiding on the backstreets "の無限リピートがたまらない。そんなわけで、英語をリスニング出来ない方でスプリングスティーンを聴きたいという方は、日本版の訳つきのCDの購入をおススメします。マジで、詩こそがスプリングスティーンさんの音楽の命だと思います。
で、詩を聴き始めると、その詩を歌う声のぶ厚さに痺れはじめ、メロディを歌うというよりも、えらく渋いおっさんがだみ声で話しかけてる…みたいな声が妙に説得力あるものに思えてきました。そうなると、しわくちゃで無精ひげの顔も、「ああ、かっこいい男っていうのはこういうのを言うんだな」と、マッチョな男性志向のアメリカ的な価値観までなんだか勝手に自分の中に出来てきちゃった。気づいたら、スプリングスティーンは中学生の小僧が、大人の文化や日本以外の文化を知るきっかけになったんじゃないかと思います。
さて、今このアルバムを聴いて感じるのは…
アメリカの労働者階級の代弁者としてのロック 。サウンドもそうだし、歌詞もそう。これが商業的な「好きだ」とかそういう詞じゃなくって、苦悩して必死に生きる労働者の言葉のように響くところは、アレンジこそロックですが、内容は本物のフォークなんだと思います。
僕にとってのスプリングスティーンさんは、ルー・リードに並ぶ、アメリカのロックの偉大な労働者階級の詩人。 中学生の時は、こういうアメリカン・ロック的な音がそこらじゅうに溢れていたので気づきませんでしたが、今は逆にこういう音をあまり聴かないので、「ああ、アメリカの田舎町だな」みたいな感じがして、すごく良かった(^^)。今は…なんとDVD2枚つきのボックスなんて言うのが出てるのか?!うわあ、見てみたいぞおお。。
ダメだ、金がない。。
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今年もよろしくお願いします。
このアルバムは高校生のときにぶっとんだアルバムです。まだ「Born in the USA」が出る前だったので、あれ聴いてからだとまた印象が違ったかもしれませんが、筋肉隆々のマッチョなボスではなく、やせっぽちの野良犬が遠吠えしてるみたいな印象でした。
ピアノとサックスがこんなにカッコいいロックンロール・レコードは今ほとんどないかもしれませんね。