『キャンディーズ / The Best 微笑がえし』

candies_hohoemigaesi.jpg 成績が悪かったとはいえ、音大まで卒業させてもらうと、変なプライドが出てきて、さすがに人前でアイドルを「良い!」とは言いにくいです。しかし、ブログならダイジョーブ(^-゜)v

 とはいえ、音楽に限って言えば、私はアイドル文化に相当な否定派である気もします。私の青春時代というと、だいたい80~90年代。ピンクレディー、おニャン子クラブ、田原俊彦…この歴史は、AKBなんちゃらにもつながっている気がします。言っちゃ悪いが、あまりにも(以下自粛)。百歩譲って、テレビタレントだから音楽は2の次だと考えるとしても、彼女らが可愛いかというとこれも(やっぱり自粛)。
 …要するに、プロっぽくないんですよね。歌を売るなら徹底的にうまく歌ってほしいし、顔で売るなら徹底的に美人であってほしいんです。それがなぜ中途半端かというと、音楽に関して言えば、作り手自体がアマチュアだから。ピンクレディなんて、事務所がもともと不動産屋だったと思うんですが、知って納得、だから下世話なんでしょうね。おニャン子クラブとかAKBは、作り手がコピーライター。ジャニーズは…。掘っても掘っても同じことで、要するに、狙って素人っぽいんじゃなくて、作り手自体が筋金入りの素人。日本のポピュラー音楽のこういう歴史って、いつからあったのでしょうか。じつは、別の道もあったんじゃないかと思うのです。

 昔、プロダクションではなくて、レコード会社が主導権を握っていた時代があったようです。この頃、歌謡曲というのは、レコード会社に所属するプロの作曲家が書き、歌手は音大とか、演歌系であれば民謡歌手の有名な人とか、こんなところから引っ張られた人がデビューし、売れなければ別の人がデビューし…みたいな。もちろん、レコード会社としては売れればいいのでしょうから、映画スターやらタレントやらが歌を歌う事もあった。でも、本筋はあくまで音楽のプロ。これがいつからか、タレントが歌う方がポピュラーのメインになってしまった。

 そして、キャンディーズです。このグループは、両者の中間に位置する存在だったのではないかと思います。つまり、テレビタレントと歌手という双方を両立させるに、最もいいバランスに位置するグループだったんじゃないかと。私は、キャンディーズの曲で、好きなものが4曲あります。「微笑がえし」「アン・ドゥ・トロワ」「片思いの午後」「アンティック・ドール」。最初の2曲は、シングルにもなっているので有名かと思うのですが、あとの2曲はアルバムに入っている曲なので、CDのベストとかを買うと、入っていない可能性が高いです。しかし、このベスト盤は、有名なシングル曲のほかに、アルバムに入っていたいい曲をチョイスしているのが素晴らしくて、私の好きな4曲全てが入っています。特に「アンティック・ドール」は、キャンディーズというものの魅力の背景にあったものがあらわれているのではないかと。これ、なんとランちゃんのオリジナル作詞作曲。…売り方はアイドルだし、また実力は音楽のプロまでは届かなかったにせよ、本人たちの望んでいたところ、これは立派に音楽家志望だったのではないかと。いや、音楽家志望なんて、掃いて捨てるほどいると思います。アイドルに「歌も歌いたい」というひとなんて、いくらでもいるでしょう。キャンディーズだって、きっとそこから始まったのだと思います。しかし、そこからが重要だと思うのです。誰だって最初からプロなわけではないのだから。その中で、自分で曲を書くための勉強をして、歌の勉強をして…これは、立派なプロへの道だと思います。

 しかし今、アイドルの中にそういう歌い手がどれぐらいいるでしょう。メロ譜を渡されても、自分でさらえないぐらいのレベルのアイドル歌手が大半なんじゃないでしょうか。タレント系のアイドルの歌を聞くにつけ、そう思います。まあこれは、ポピュラー業界自体がアマチュアの集団になってしまったので、それを若い子だけに「プロであってくれ!」と望むのは酷なのかもしれませんが・・・。しかるにランちゃん、詞も曲も素晴らしいんですよ。歌も、うまいかどうかは別として、声から作りこんで、ヴォーカルのトレーニングを受けている事は分かります。
 どんなに素人であっても、一生懸命勉強すれば、1曲であれば良い曲を書くことができると思っています。1曲はよく歌うことが出来ると思います。この曲、ランちゃんにとっては、自分の人生の青春時代の全てが凝縮されたような、渾身の作品なんじゃないでしょうか。ランちゃんがプロであったとは思いません。しかし、プロになる可能性があった人なんじゃないかと思います。そして今、歌謡曲の歌い手から、そのラインは途絶えてしまったように思います。
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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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