
映画は大好きなんですがライトユーザー、名画といわれるものでも「外しそう」と思ったものは観てなかったり(^^)。この「バグダッド・カフェ」(1987年制作)も超有名なのに観てませんでした(&p゚ω゚*)。ところが、ポスター作りの仕事で「バグダッド・カフェみたいなムードで」というオーダーが来まして、約30年遅れでトライ!(スイッチポチー)…「バグダッド・カフェ」といっても、イラクが舞台というわけじゃないんですね、知らなかった(^^;)。ラスベガスに近い砂漠の街道筋にある「バグダッド・カフェ」という名のカフェ&モーテル&ガソリンスタンドが舞台。ここに、ドイツから来た太った中年婦人が泊まりに来て、色んな人生が交錯し始める…みたいなストーリー。
雰囲気は、作家もの映画というか、映画というより舞台の芝居を見ている気分。昔でいえばセゾンあたりが推しそうなライトなアート系かな?というわけで、映画にハマり始めの若い人が観たらオシャレに感じるかも。単純すぎず難しすぎずで、丁度いいぐらいかも知れませんね。
僕的には…う~~ん、無理してアート風にしてみた…みたいな感じかな?「アートフィルム」という言葉があるじゃないですか。あれって、カレーもウンコもゴッチャにしちゃってる区分けに感じてます。タルコフスキーの「サクリファイス」あたりなら文句なしでアートフィルムといっていいと思うんですが、じゃあこういうのは?水平を狂わせたカット、ブーメランを空中に投げるシーンの繰り返し、物語の唐突な切り方…これらが、低予算映画に箔をつけるためだけに、そっち系の研究をしたことがない人が、それ風にカッコつけてみただけに見えちゃいました。例えば、画面の上にシャドウを入れる映像処理。これで空を淀んだように見せて、それを登場人物の感情表現にもしているんだと思うんですが…
安っぽい。この映像処理って、80年代のアメリカのテレビドラマとかでたまに見かけますが、ちょっといただけないなあ。この処理でうまくいっていると思えた例を、あんまり見た事がないです。他にも、全編で貫かれた、赤を強くしたハイコントラストもちょっとイージー。音楽に例えれば、ゲートをかけたスネアの音とか、チャチなコンパクトエフェクターのディレイでループさせた音の上でのソロを取る、みたいなもんで、安易すぎてクソダセえな、みたいな(^^;)。アートっぽい事をゴチャゴチャやる割に、構図も色バランスも洗練されているとはお世辞にも言えないから、アートのふりをしているだけにしか見えなくなっちゃったんでしょうね。。80年代のポップな音楽やアート独特の、掘り下げの浅さが出てしまったもののひとつという気がします。ただ、
バグダッドカフェの音楽はけっこう好きで…その話はまた次回(^^)/!
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