『エマール(pf) / ドビュッシー:前奏曲集 第1巻&2巻』

Aimad_debussy_prelude.jpg 古い巨匠によるドビュッシーのピアノ演奏について書いたので、比較的新しいピアニストによる、ドビュッシーの演奏を聴いてみようかな(^^)。え~っと(ゴソゴソ)…お、こんなの持ってたっけ?2012年発売みたいだから、けっこう最近買ったのか。

 僕がドビュッシーのピアノ曲と言ってまず思い浮かべるのは「映像」2つと「版画」ですが、このCDで取りあげられた「前奏曲集」1巻&2巻もメッチャ有名です。「音と香りは夕暮れの大気に漂う」「亜麻色の髪の乙女」あたりは、聴いたら「あ、これ聴いたことある」って思うんじゃないかと。で、やっぱりドビュッシー的な「おお~、気持ちい!!」という響きの雨あられ、やっぱりいいなあ。。和声の色彩感覚が凄いので、聴き始めて5分もすると、ピアノだけの演奏だなんて思えなくなってきます(^^)。というわけで、ドビュッシーの音楽が好きなら、この「前奏曲集」も間違いなく当たりじゃないかと。

 そして、演奏。このCDのプレイヤーさんはピエール・ロラン・エマール(Pieere-Laurent Aimard)という人。名前の通りフランス人ピアニストなので、フランス音楽はホームゲーム。このピアニストで僕が覚えている演奏は、ブーレーズ指揮ロンドン響によるバルトークの弦・打・チェレで、2台ピアノのひとりがこの人でした。でも、その演奏のピアノをあんまりよく覚えてない(*゚∀゚*)。というわけで、このCDだけで言うと…技術は見事、リズムやダイナミクス方面の表現も素晴らしいんですが、音色の表現がもうひと声かな?いや、すっごくうまいと思うんですが、ギーゼキングの直後に聴いたのがマズかった。。ギーゼキングの見事な音色表現に比べると、物足りないです(^^;)。なんか、録音が部屋のエコーをいっぱい拾ってて、良くも悪くもずっと「ぼわ~ん」としてるんです。それは気持ちよくもあるんだけど、全部それだと…なんだか、音色表現を自分でコントロールするんじゃなくって、録音でごまかしているのかなって、だんだん思えてきちゃいました。ドビュッシーの曲って、リストみたいに超高速のパッセージが出てくるわけじゃないから難しくないように思われがちだけど、実は指使いが結構難しかったりするし、色彩感覚が命みたいな音楽なので混ぜる音のブレンド具合を考えて指の強さまで順位付けしなくちゃいけないし、そうなるとタッチもペダルも死ぬほど重要になってくるので(;_;)、ピアニストなら誰しも「にじんだような音で録音して貰ってごまかしちゃえ」と悪魔のささやきが聴こえちゃう気がするんですよね(&p゚ω゚*)。でもやっぱりそういう考えをしていいのは僕みたいなシロウトまでであって、ドイツ・グラモフォンからCDを発表するレベルまで来てる人がそれをやってはいけないんじゃないかと。音のふくよかさが部屋のエコー頼りになって、ギーゼキングみたいにタッチやペダルの神業で色んな音色を使い分けているわけではない…と感じてしまいました。
 でも、ピアニストを擁護すると、音色の狭さはピアニストの責任だけじゃなくって、ピアノの影響もあるかもしれません。当たってるかどうかわかりませんが、CDで聴くかぎりは、明るく堅い比較的新しめのスタンウェイDみたいな印象。ここ30年ぐらいのスタンウェイって、ニューヨークもハンブルグも(もちろんメンテ状況や個体差は馬鹿に出来ないほどあると思うんですが)、誰がどうやって演奏してもある程度ちゃんと音が出る代わりに、だれがどうやって弾いても似たような音になりがちな感じがします。これって、僕みたいなヘタクソピアニストには超絶に有り難いんですが(指が綺麗に入らなくても、ハンマーが綺麗に落ちてくれる^^)、うまい人にとっては歯がゆい所もあるかも。「タッチを変えても変えても同じようなリッチな音しか出ねえ!ここはもっと素朴にしたいんだよおお…」みたいな(^^)。ピアノに限らず、最近の楽器って、アマが弾いてもそれなりの音が出るように作ってあるものが多いですが、プロ用に「演奏は難しいかも知れないけど、テクさえあれば色んな音を引き出せる!」みたいな方向のものも作ってもいいんじゃないかとも思ったりします。



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プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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