『ブレーズ指揮・ニューフィルハーモニア管弦楽団 / ドビュッシー:海、牧神の午後への前奏曲、ほか』

Boulez conducts debussy 学生時代は貧乏なくせに好奇心は旺盛だったもので、色んなCDやLPを聴きたいし買いたかったです。というわけで、クラシックのCDは、なるべく同じ曲はダブらないように、オケやプレイヤーを厳選し、なるべく色んなオケやプレイヤーを聴くように散らし、そして中古を中心に安値で買って買える枚数を1枚でも多くする事を心掛けてました(*゚∀゚*)。でも、フランス音楽だけは別。ドビュッシーやラヴェル、メシアンあたりは、同じ曲でも指揮者違いやオケ違いで、何枚も買ってしまいました。中でもドビュッシーの「海」は、1枚や2枚で収まるものではなく、ブレーズ指揮のものだけでも2枚持ってたりします。1枚は、前回の記事で書いたクリーヴランド管弦楽団のもの。もう1枚がこれで、CBSから出たニュー・フィルハーモニア管弦楽団のものです。ブレーズがドビュッシーの棒を振ったという事で、昔はけっこう話題になった盤でした。収録は、「海」「牧神の午後への前奏曲」「ノクチュルヌ」「遊戯」というわけで8割ぐらい被ってますが、こちらは「牧神の午後」が入っているのが大きい(^^)。ちょっと、この2枚を比較してみようかと。

 まず、「海」で言うと、僕はこちらの方が好き(^^)。理由は、サウンドの色彩感がこちらのほうが強烈に感じるからです。なんというのかな…理由は、多分オーケストラの実力差とかそういうんじゃなくって、ホールの広さの違いとか、録音の差とか、そういうところの差じゃないかと。いや、まえのグラモフォン盤のクリーヴランド管弦楽団の録音の方が、ホールもいい所っぽいし、音もリッチだし、一般的に言えば録音もいいんじゃないかと思うんです。でも、いわゆる「オーケストラのいい音」「ホールのいい音」になっちゃってて、ドビュッシーのスコアに書かれていた色んな色彩が負けちゃってる気がしちゃうのです。それに比べると、こちらのCDの方が、管弦が弾き分けた音色とか表現がすごくよく伝わる感じ。たとえば、レントのトレモロで始まる冒頭から、あのピチカートの美しい音が入ってくるまでが、こちらの録音では鮮明。一方、クリーブランド版ではほとんど聞こえない(;_;)。。…まあスコア上はピアニッシモなので、クリーブランドの演奏は正しいと思うんですが、やっぱり美しい始まりだけに、ドビュッシーの書いた音符自体も感じたかったりして(^^)。。

 次に、「夜想曲」の3番「シレーヌ」でいうと、これが逆。クリーヴランド版の方が、管弦と合唱の混ざりがよくっていいです。こちらの盤は合唱が完全に右寄り、これはオンマイクの弊害が出た感じでしょうか。こちらの合唱団はジョン・オールディス合唱団なんですが、ひとりひとりの声を聞き分けられるぐらいにマイクが近いんですよね。というわけで、クレジットを見てみると…ああ、「夜想曲」だけ、スタジオ録音でした。こういう音楽はスタジオで録音しちゃだめだよ。。やっぱり合唱やオケってホールのアコースティックが大事ですよね。弦や合唱をスタジオで録音する悲劇は、子供の頃に「銀河鉄道999」で痛感して以来、ほとんどトラウマです(^^;)。

 というわけで、曲がほとんどダブっているというのに一長一短あるものだから、僕はどちらのCDも手放せないでいます(^^;)。一般的にはクリーヴランド版の方が高く評価されそうですが、「海」のスコアや演奏表現の妙を感じたいなら、CBS録音のニューフィル版も捨てがたいです。あ、そうそう、こちらにだけ入っている「牧神の午後への前奏曲」というのは、音楽の歴史を勉強していると絶対出てくるぐらいの重要曲です。僕はあんまり好きじゃないけど。


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ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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