
ウェザー・リポートのファーストと、リーダー作"infinite search" で、一気にミロスラフ・ヴィトゥスのウッドベースのファンとなった僕でしたが、しかしそれ以降でいい思い出がない…。これは、中古盤屋で見つけて飛びつき、ワクワクして家に持って帰り、いざ聴いたらガックシきたアルバム。でも、いま久々に聴いたら、おもしろく感じた所もあって、そこまでガックシするようなものでもありませんでした(^^;)。でも、やっぱり好きではないかな…昔は、期待が大きすぎたのかも知れませんね(=^▽^=)。
でも、ダメなポイントのひとつは分かった気がします。
ECMというレーベルの音が苦手。これ、ECMのレコードなんです。僕はウインダムヒルとかECMのあのわざとらしいリヴァーブたっぷりの「ほら、綺麗でしょ?美しいでしょ?」って音が好きじゃないのです。ミュージシャンがどういう音を演奏しても、全部あのフワーッとしたリヴァーブに包まれちゃって、どれも全部同じような音楽に聴こえてきちゃうのがいや。ECMって、ジャズだけじゃなくって、現代音楽や南米音楽や、色んなCDを出してるじゃないですか。どれも方向性が違う音楽なのに、印象がどれもこれも同じになっちゃうんです。しかも、ECMのかけるリヴァーブって、量が多いだけじゃなくって、フランジャーみたいなの掛かってませんか?聴く人によってはこれがクールに聴こえるのかも知れませんが、僕には痛いとしか思えないのです。ガッと迫力あるプレイに踏み込んだ時も、「ふわわわわ~~ん」ってなって、なんかECMの持っているセンスを押し売りされている気分になっちゃう。「涙が出る」と言おうが「ムカつく」と言おうが、全部ECMのフィルターが掛かって「涙が出る~ぅぅぅぅぅ
うつくしい」「むかつく~~ぅぅぅぅぅ
うつくしい」みたいになって、全部同じにされてるみたいで残念。あと、演奏表現の一番いい所がリヴァーブで消されちゃってるし。コントラバスが弓でギッって擦る時なんか、美しい音じゃなくって汚い音を挟み込みたいと思ってるんじゃないかと思うんですよ。それも「ギュ~~~ゥゥゥゥ
ウツクシイ」となっちゃうもんだから、価値観の一方向化もここまでくると迷惑だな、と感じちゃう。整理され過ぎた部屋にいるような居心地の悪さというか、机が1センチでも曲がっていたら怒られちゃいそうな嫌な潔癖症感というか。型にはめられている感がハンパないです。演奏って、色んな音色を出せるようになるところでいちばん苦労するというのに、そこを画一化しちゃうんだから、ちょっとね…。レーベルオーナーはクラシックのプレイヤーだというのに、なんでなのかなあ。
というわけで、ヴィトゥスというよりも、ECMが苦手という話でした(^^;)。でも、ある時期以降のヴィトゥスの作品って、ECMから出ているものが多いんですよね、うう。
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