『頭脳警察/3』

ZunouKeisatsu3.jpg 僕が70年代を体験したのは幼少期。だから、よく分かってません。でも年上の方から話をきくと、日本の70年代は暗く鬱屈としたムードだったみたい。冷戦下で核戦争が現実問題としてあり(最近テレビのドキュメンタリーで見たんですが、キューバ危機の時、本当に核ミサイル発射ボタンを押す寸前まで行っていたというのを知ってビビりました(゚ロ゚;ノ)ノ。まあ、キューバ危機は1962年の話ですけど ̄ー ̄)、終末思想が不安を煽って、暴走族が社会問題、映画では「仁義なき戦い」がヒット。あれ、若い頃に見た時は一種のアクション映画かスリラーみたいな感覚で見てましたが、映画的な演出はあるにせよ実話なんですよね。暴力団問題がテレビの中じゃなくってえらい身近な出来事だった時代。70年代の音楽は最高ですけど、時代そのものは決して明るいムードじゃなかったんでしょうね。

 というわけで、頭脳警察のサードです。敗戦から冷戦、その中での安全保障条約をめぐる政治闘争という流れは、日本がアメリカ文化を受け入れるか否かという歴史でもあったように思います。今では洋楽の模倣が大前提となった日本の音楽シーンですが、70年代当時は日本人が英米文化であるロックをやるという事自体が、既にひとつの大決断だったんじゃないかと。そんな中、日本のロック黎明期のバンド・頭脳警察がやった事がカッコ良かった。政治色が強いとか、反社会的とか、そんなこんなでファーストもセカンドも発売禁止となってしまった頭脳警察なので、このサードではそういう面は控えめにして(とはいえ「指名手配された犯人は殺人許可証を持っていた」とか、充分きわどい曲が並びますが^^;)、ロックな部分が思いっきり前に来ます。これが、音楽の作りはロックだけど、詞は洋楽のコピーとかそういうんじゃなくって、主張そのものです。ロックの直線的な疾走感を活用して自分の言葉を叩きつけてくる!!詞に共感できるかというと微妙ですが(^^)、自分が本当に思っている事を、変な計算をしないでストレートに伝える「ロック」な感じが僕は好きです(^^)。1曲目「ふざけるんじゃねえよ」は名曲!ザクザクしたエレキギターの音やヴォーカルの吐き捨てるような歌い方がカッコいい!!そして、「まわりを気にして生きるよりゃ一人で…」で始まる歌詞。なんて事ないひと言ですけど、同調圧力の激しい今の日本で、この言葉をいうのはなかなか大変なんじゃないでしょうか。また、この言葉をいえるような生き方をしている日本人が、今どれだけいるでしょうか。それを言ってしまう所に惹かれます。

 言葉って、本当は、減らしていくんじゃなくて増やしていかないと正解に辿りつけないんですよね。ところが今の日本は逆で、なんでもかんでもすぐにタブー視して発言を控えちゃう、どんどん言葉を減らしちゃう、自分と少しでも考えが違うとすぐ叩いちゃう、そんなわけでモノも言えない。ロックですら、自分の考えを伝えているものがほとんどない気がしてしまうんですよね。ロックだろ?ハードなビートミュージックをわざわざ選んだんだから、「君を大事にしたい」とかよりも、もっと熱く伝えたいものがあったんじゃないの?そんなわけで、言いにくいことでも「俺はこう思うぞ」と自分の言葉で話す頭脳警察は、やっぱり好きだなあ(^^)。セカンド同様、このサードも素晴らし~~~~です!


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Bach Bach

Author:Bach Bach
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ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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