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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『Archie Shepp / THE MAGIC OF JU-JU』

ArchieShepp_Juju.jpg ジョン・コルトレーンの専門レーベルのようにコルトレーンのアルバムだらけのインパルスですが、アーチ―・シェップにもかなり力を入れていました。そして、アーチ―・シェップの方も、力を入れて貰うに値するほどの作品を発表し続けました。コルトレーンのアルバムがある意味で金太郎アメ状態であるのに対し、シェップの方はそれぞれのアルバムを作品として完成させようという意気込みがあったのではないかと思います。プレイヤーとしての力量はコルトレーンの方が上。しかし、インパルス時代のシェップには、その差を補って余りあるミュージシャンシップがあったと思います。

 インパルスだけでなく、フランスのアクチュルというレーベルも、アーチ―・シェップのアルバムをたくさん発表しました。そして、これら60年代に発表されたシェップのアルバムは、どれもそれぞれにコンセプトがはっきりしていて、実にすばらしいです。ブラスのアンサンブルとフリーの両立とか、あるいはスモールコンボでのどフリーとか。で、毒々しいジャケットが目立つこのアルバムで最も印象に残るのは、1曲目"THE MAGIC OF JU-JU"です。アフリカのカリンバ・アンサンブルを思わせるような打楽器群のポリリズミックなパターンに、シェップのあのエッジの効いたサックスが切り込んでいきます。サックスは、フリーというよりもソウルフルで、切れ味鋭いだけでなく非常にメロディアスでもあります。この辺りに、実はアフリカン・アメリカンのフリージャズの特徴が表れ始めているのではないかという気がします。つまり、フリーというものが、何か自分の内側から出てくる表現としてあるもの、みたいな。これは、このアルバムがリリースされるよりも前にあったフリージャズではまだはっきりしていなかった考え方だとも思うし、またフリーである事に色々と理屈がくっついているヨーロッパのフリーともまた違った視点なんじゃないかと。で、5分以上続いたサックスとパーカッションだけのフリーの後に来るのは…変化じゃなくって、ドラムが加わります。足し算です。で、更に加熱していくプレイの先にあるのは…変化じゃなくって、ベースの参加です。音楽は完全に一直線、そして変化するのではなくって、まったく同じ状況のまま、プレイだどんどん加熱していって、音圧はどんどん増していきます。変化しないものだから、聴いているこちらもトランス状態みたいになってきます。…なるほど、もしかして「マジック」というのはこの事か?こんな一直線の演奏がノンストップで17分以上続いた揚句…さらに管楽器が加わります。。う~ん、恐ろしく単純、だがそれがいい(^^)。。
 フリージャズのサックスで凄いと思う部分のひとつは、ノンストップで何十分も演奏しているのに、聴いていて飽きない事です。いや、もちろん飽きるサックス奏者の方が多いんですが、コルトレーンとかシェップって、ぜんぜん飽きないんですよ。飽きないという言い方は変ですね、すごくいいんです!このアルバムの"Magic of JU-JU"なんて、20分近くサックスは吹きっぱなしなのに、もっと聴いていたかったと思うぐらいです。ポップスなんて、3~4分の曲でも長いと感じてしまうものばかりだというのに。。

 60年代のアーチ―・シェップには、ほかにも組曲風の『FIRE MUSIC』とか、なんとも強烈なグルーブを見せる『yasmina, a black woman』とか、外れなしというぐらいに、いいアルバムのオンパレードです。それぞれのアルバムに個性がありますが、共通して言えるのは、カッコいい事です!表現とか、技術とか、そんなことを言いいたくなくなるほどの強さが音楽の中にあります。プレイヤーとしては不器用な方かもしれません。しかし、いや、だからこそ、それを補って余りあるほどの情熱を音楽にぶつけ続けたその姿勢には、感動すら覚えてしまいました。
 残念だったのは、80年代以降のアルバムが、ヘタクソなスタンダード集とかバラード集だったりと、なんか日和って見えた事でした。フリージャズの宿命でしょうか、アンチフリーの評論家とかから「ジャズが出来なくって、メチャクチャやってるだけ」とか、言われたんじゃないかと、勝手に思ってます。ほら、ピカソを「ヘタなだけ」とかいう人って、絶対にいるじゃないですか。まあ、そういう批判に有無を言わせないという事も少しはやる必要もあるかもしれませんが、あんまりそれに相手しすぎると、日和って見えちゃうんですよね。だって、批判によって行動が変わっちゃうわけですから。シェップは、80年以降は「俺だってジャズぐらいできるんだよ」って付き合っちゃった感じに見えるのです。自分で演奏もしないくせに、自分の分からない音楽は何でも批判するようなクズ評論家なんか相手にせず、わが道を突き進んでほしかった。そういう期待をしてしまうほど、60年代のシェップのアルバムは魅力的なものばかりなのです。



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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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