
前の記事で「りりぃさんの歌で好きなものが2曲ある」と書きましたが、そのうちもう一曲は、松田優作さん主演の「処刑遊戯」という映画の挿入歌の、ジャズっぽいピアノ弾き語りの曲。これが、りりぃさんの弾き語り(ほんとうにりりぃさんがピアノを演奏したかどうかは分かりません)で、すごくアンニュイな感じが漂っていて良かったのです(^^)。ちなみに曲名は「NAOKOのテーマ」。この曲に限らず、音楽全体がジャズ色に彩られてまして、それもスタンダードっぽいムードジャズばかりでなく、ニュージャズ寄りの先鋭的なインプロヴィゼーションが満載だったのです。この映画をみて、「音楽がエレクトリック・マイルスみたいでカッコいいな」とずっと思ってまして、サントラがCD化された時に飛びついて買いました(^^)。
音楽は大野雄二さん。大野さんと言えばルパン三世セカンド・シリーズの音楽で有名ですが、もともとは白木秀雄さんのグループに参加していた本格的なジャズピアニスト(しかしその頃の音を僕は聴いた事がありません。聴いてみたいなあ…)。というわけで、ジャズとかエレクトリックジャズは超得意分野だったんでしょうね。そこに、ハードボイルド路線の映画音楽の仕事が舞い込み、その才能を爆発させたのがこれ、という事なんだと思います。ルパン三世まで行ってしまうともうフュージョンに入ってポピュラー音楽化してしまった感じでしたが、このサントラの頃は硬派なエレクトリック・ジャズという感じで、めっちゃくちゃカッコいい!!前に
日野皓正さんのエレクトリックジャズの大名盤について書いたことがありましたが、世界観は完全にアレです。あと、映画ではカメラの長回し(5分?10分?かなり長い)で主人公を追うようにしてハンドカメラだけで追うアクションシーンがあるんですが、そこでスリリングな音楽をつけるのが完全にエレクトリック・ジャズのアドリブ一発。これがバンド全体が白熱のプレイでカッコいい!!これ、マイルス・デイビスの「死刑台のエレベーター」みたいに、映画を見ながら演奏したのかなあ。フリージャズまで行かないけど
ギリギリの所で演奏が炸裂する硬派ジャズのこの感じ、メッチャかっこいいです!!エレクトリック・ジャズって、アコースティックなジャズの表現力も分かった上で、ちょっとだけエレクトリックのあの独特の音を加えると、いちばんカッコいいんじゃないかと思ってしまいます。これは、
サントラというだけでなく、日本人ジャズの名盤の一枚といえるんじゃないでしょうか?!こういうサントラって、売り切れると突然プレミア状態になっちゃったりするので(「野獣死すべし」や「テッカマンブレード」のサントラなんか、えらい金額になってる)、欲しい人は急げ!今なら中古がまだ安いみたいです(^^)。。
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映画はちょっと私の趣味ではなさそうですが・・・音楽はかっこよさそうですね!興味あります。
大野さんはいい仕事されますね。一度コンサート行った事がありますが素晴らしかったです。