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風の谷のナウシカ」の原作コミック。僕が小学生の頃、「アニメージュ」というアニメ専門雑誌がありまして(今もあるのかなあ…)、それに連載されてました。当時のアニメというと松本零士さんのSF作品やガンダムなどのロボットアニメ、そしてうる星やつらあたりの美少女ものがメジャーで、その中にあって「風の谷のナウシカ」は、コミックも映画も異質でした。特にコミックは、独特の絵柄に、大人が読んでも難しいテーマやストーリー展開。僕はアニメージュという雑誌をたまに立ち読みしていたんですが、ナウシカの連載は内容がまったく理解できずに読まなくなってしまいました(^^;)。全部読んだのは、もう30歳を超えたぐらいの時。古本屋で全巻セットを見かけ、「あ、そういえば子供のころにアニメージュに連載されていたな、懐かしいな」な~んて軽い気持ちで手に取ったのです。そして…いや~~~~深かった!!
映画に描かれていたのは物語の序盤も序盤、ほんのさわりだけで、設定も少し違います。映画は、背景にうっすらと色んなメッセージがあるものの、あくまでナウシカという主人公の描き出しがメインで、あくまでストーリーを追う娯楽映画という所を崩さずに作られていたと感じるんですが、このコミックはメッセージが思いっきり前。テーマは、命、人間、自然…ザックリ言ってしまえばこういう所で、それが自然賛美とかそういうのではなく、現代人に対する警鐘として描かれている所がグサッときます。僕の印象では、
ナウシカというのは宮崎駿さんの作家としての生涯のテーマを凝縮したもので、「生命」とか「人間」という所に向いていると思います。人間というのも、心とか感情とか、主人公がどう感じたかとか、そういう小さい所じゃなくて、生命としての人間というところ。このテーマって、正直言って芥川賞や直木賞の受賞作品なんかの作品が取りあげているテーマなんかより、よっぽど重要なものと感じます。けっきょく、小説であるかマンガであるか音楽であるかなんていうものはあくまでも手段の違いであって、素晴らしいものというものは扱っているテーマが素晴らしいんだな、と思わされました。映画に大感動した僕だったので、映画とはずいぶん趣の違うコミックは最初は違和感だらけ、内容もちょっと複雑で、最初に読んだ時は「???」と理解できないところも結構あったんですが(ストーリーすら追い切れなかった(^^;ゞ)、何度も読んでいるうちに、「これはとんでもなくすごい本だな」と思うようになりました。
極端に言うと聖書みたいな本で、こういう人類に対する重要なメッセージを正面から扱った本は絶対に読まないといけないと思ってしまいます。コミックだから、先入観でそう思われる事は少ないんでしょうが…。これは映画とは別の意味でとんでもなく重要な本、コミックだなんて軽く見たらいけない、現代人が一度は読まないといけない重要な本。
映画しか見た事のない人は、ぜひ!
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・・・って、コメント続けてる私です。
悪い大人のグラハムボネ太郎。
ちなみに東京ではトトロは『火垂るの墓』と二本立てでして、彼女とデートで観ましたが、先に『火垂るの墓』だったから、心がどぉ〜んとした後にトトロ。楽しくなかったです(笑)、、、だから、その夜もそんな気分じゃないって言われてエ◯チも無しでした(^-^)
ダブルで泣けた1日でした(笑)